高知市の高知高校野球部の寮で、男性職員が生徒に対して「殺す」などの暴言を吐いた動画がネット上で拡散した件で1月11日、学校は保護者説明会を開きました。不適切な言動は問題ですが、一方で、こうした情報拡散には今、課題も見えています。 高知高校によりますと2024年10月、野球部の寮の監督者とコーチを兼ねる30代の男性職員が部員の生徒3人に対し、「殺すぞ」や「辞めろ」などと怒鳴りつけたということです。 この様子を撮影した動画が、SNSに投稿されていることを1月6日に学校側が把握し、聞き取りをしたところ、男性職員は事実を認めました。 男性職員は、部員が寮の規則を破り、夜間に無断でコンビニに行ったことを注意するために叱ったということで「使ってはならない言葉を使って申し訳ない」と話しているということです。 学校側は、この問題を県高野連に報告するとともに男性職員を当面の間、自宅待機にしました。 ■高知高校 田村誠校長 「適切ではない発言で指導してしまったことについては、学校として生徒や保護者、関係の皆様に大変ご心配をおかけしたことで、お詫びを申し上げたいと考えております」 学校は1月11日、野球部員の保護者を対象に非公開で説明会を開き、陳謝しました。参加した保護者からは、こんな意見があがったといいます。 ■野球部員の保護者 「言い方は良くなかったと思う。しかし、ルールを破ったら、怒られるのは当たり前だ。コーチをやめてほしくない」 こうした意見の保護者が多く、説明会では男性職員について保護者側が寛大な処分を求めたということです。 学校側によりますと、男性職員は精神的にまいっているということですが、今後調査委員会を設けて、問題を詳しく調べた上で、男性職員の処分を検討するとしています。 今回問題が公になったのは、SNSによる動画の拡散が発端で、撮影した本人ではなく第三者がSNSに投稿し、広まったとされています。 この動画は、現在もSNSで拡散されていて、書き込みには、「懲戒解雇でしょ」、「脅迫罪で逮捕されろ」など、男性職員を非難する声が大半を占めています。 こうした最近のSNSによる情報拡散の特徴について、ITジャーナリストの鈴木朋子さんは、 拡散のスピードが、意図的に速くなっていると指摘します。 ■ITジャーナリスト 鈴木朋子さん 「みんなが読まれるものを優先的にサービス側が出していく、そういう仕掛けが強まっている。かつてはSNSって、自分がフォローしている人の情報を見に行く場所だったのが、現在では”おすすめ”というサービス側がおすすめしているものを、みんなが見ているという状態。もう読まれればよいというような形で、収益目的で、どんどん注目を集めるような動画を何度も投稿するというアカウントもおりますので、そういう人たちが取り上げることで、あっという間に拡散する」 今回のような動画は、SNSから消えることは難しく、問題が沈静化した後も当事者への非難が続くおそれがあるとします。 ■鈴木さん 「やはり、ネットに一度あがったものは、消えないっていうことは、本当に心に留めておいていただきたい。もちろん、サービス的に言えば、消してもらうことも可能ではあるけど、その時に誰かが、それをダウンロードして保管しているかもしれない。何年か経って、それが出てくる可能性もある。海外のサーバーに行っちゃうと、消すことができないことも多々あるので、やはり一度ネットにあがったものは、消えないということは、重々承知していただきたい」 そして、誹謗中傷にあたる書き込みをした投稿者が、名誉棄損などの罪に問われるケースもあるということです。 個人が公にしたい情報を手軽に他者と共有できるSNSですが、さまざまな課題があることが改めて浮き彫りになりました。