韓国検察、尹前大統領に死刑を求刑 「非常戒厳」巡る内乱首謀罪

2024年12月の「非常戒厳」宣布を巡り内乱首謀罪に問われた韓国の前大統領、尹錫悦(ユン・ソンニョル)被告(65)の論告求刑公判が13日、ソウル中央地裁で開かれた。聯合ニュースによると、特別検察は死刑を求刑した。判決は早ければ2月に言い渡される見通し。 検察側は、尹被告の戒厳令宣布が「戦時やこれに準ずる国家非常事態」との憲法要件を満たしていなかったと指摘している。また尹被告が、国会による戒厳令の解除要求決議案の可決を阻止するために軍や警察を投入し、憲法秩序を乱す目的で暴動を起こしたと主張。こうした行為が内乱首謀罪に当たるとしている。 これに対し尹被告側は、戒厳令宣布は正当な権限の行使であり、国会への軍投入も「公共の秩序を守るため」だと反論。内乱には当たらないとして無罪を主張している。 内乱首謀罪の法定刑は死刑、無期懲役または無期禁錮。ただ、韓国では1997年を最後に死刑は執行されていない。 求刑は当初、9日の予定だったが、意見陳述などが長引き13日に延期された。 尹被告の公判は、80年の「光州事件」などで内乱首謀罪に問われた全斗煥(チョンドゥファン)元大統領と同じ法廷で行われた。光州事件では軍が民主化運動を弾圧し多数の市民が死傷した。96年の1審は全元大統領に死刑を言い渡した。2審は無期懲役に減刑し、97年4月に最高裁で確定。全元大統領は同年12月に特赦で釈放された。 尹被告は、大統領だった25年1月、内乱首謀容疑で逮捕された。その後、同罪で起訴され、ソウル郊外の拘置所に収監された。憲法裁判所は同年4月、戒厳令の宣布を違憲と判事全員一致で判断。尹被告は大統領職を罷免された。 検察は尹被告を、25年1月に捜査当局による逮捕状執行を妨害したとして特殊公務執行妨害罪でも起訴し、公判中。懲役10年を求刑しており、この公判の判決は今月16日に予定されている。【ソウル福岡静哉】

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