大阪市中心部にある土地と建物の不動産登記を所有者になりすまして書き換えたとして、大阪府警は14日、大阪市中央区の司法書士の男性ら2人を電磁的公正証書原本不実記録・同供用などの疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で判明した。 容疑者らは勝手に所有者の名義を変更した後、業者などに不動産の購入を持ちかけていたとされる。他人の不動産を売買して代金を得る「地面師」グループの可能性がある。 関係者によると、登記簿が不正に変更されていたのは大阪メトロ中津駅(大阪市北区)近くにある約800平方メートルの土地と建物。住人の80代男性が所有していた。 容疑者らは共謀して2025年1月、法務局で偽造した男性名義の運転免許証を使い、虚偽の登記簿の変更手続きを進めた疑いが持たれている。 変更後の登記簿は、所有者の男性が三重県桑名市の電気設備会社(すでに解散)に売却したとされていた。この変更手続きは、男性の代理人として容疑者の司法書士が申請したことになっていた。 不動産業界の関係者によると、この土地と建物は登記簿が変更された後に約4億~5億円で売りに出され、複数の購入希望者がいたという。 本来の所有者の男性は25年3月、登記簿が知らぬ間に書き換えられたとして手続きの抹消を求める訴訟を大阪地裁に起こした。地裁は5月に訴えを認め、所有権の変更を取り消していた。 25年の大阪・関西万博やインバウンド(訪日客)に沸く大阪では、土地価格の高騰を背景に地面師らによる事件が相次いでいる。 25年には西日本有数の繁華街・ミナミの不動産を舞台に、地面師グループによる約14億円の詐欺事件が発覚。土地の所有者らになりすました男女4人が逮捕や書類送検された。【川地隆史】