東京大大学院医学系研究科教授の佐藤伸一容疑者が24日に収賄容疑で逮捕されたことを受け、東大の藤井輝夫総長は25日、公式ホームページに「言語道断」などとするコメントを発表した。 藤井総長は、国立大の教職員は「法令遵守(じゅんしゅ)だけにとどまらない高いレベルの倫理意識が求められる」と説明。昨年11月の医学部准教授に続いて2人目の逮捕者を出したことを「痛恨の極みであり、言語道断で、遺憾。極めて重いものと受け止め、厳正に対処する」とした。 また、大学として独自に調査を進めてきたものの、状況や経緯、処分などについて「十分な説明を尽くせていなかったことを深く反省している」と謝罪。 そのうえで、調査を進めるなかで「教職員のコンプライアンス意識、民間資金の受け入れ・活用状況のチェック体制、事態を未然に防ぎ早期に察知する組織風土などにおける課題が具体的に明らかになった」と説明した。 このため大学として、捜査に協力するとともに、検討を始めている再発防止に向けた組織改革などに「不退転の決意で取り組んでいく」とした。 警視庁によると、佐藤伸一容疑者は2023年3月~24年8月、研究相手の一般社団法人「日本化粧品協会」(東京都文京区)の代表理事の男(52)から都内の高級クラブやソープランドで約30回にわたり、計約180万円相当の接待を受けた疑いがある。 大麻に含まれる物質の効果について共同研究をする「臨床カンナビノイド学講座」の設置や研究の実施にあたって便宜を図った謝礼などの趣旨だったという。 23年4月、東大大学院医学系研究科に「臨床カンナビノイド学講座」を設置して共同研究は始まった。佐藤容疑者らはこの講座の設置や運営のほか、研究内容の選定や研究の実施に関する権限があった、と警視庁はみている。(増谷文生)