韓国・尹前大統領の妻、あっせん収賄罪で懲役1年8カ月の実刑判決

韓国・ソウル中央地方裁判所は28日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の妻、金建希(キム・ゴンヒ)氏(52)に対し、あっせん収賄罪で懲役1年8カ月の実刑判決を言い渡した。 金氏は、物議を醸している「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の事業に便宜を図る見返りに、シャネルのバッグ2点とダイヤモンドのネックレスを受け取ったなどとして、昨年8月に株価操作や収賄など複数の容疑で逮捕された。 同氏はまた、独BMWの韓国国内のディーラー「ドイツ・モーターズ」の株価操作に関与し、8億ウォン(約8600万円)以上の利益を得た罪や、政治ブローカーから世論調査の結果を無償で受け取った罪でも起訴されていたが、裁判所は27日、これらについては無罪とした。いずれも、夫の尹氏が2022年に大統領に選ばれる以前のこととされる。 一方で尹氏は、2024年12月の非常戒厳の宣布に関連する捜査を妨害したなどとして特殊公務執行妨害などの罪に問われ、今月16日に懲役5年(求刑同10年)の判決が言い渡された。 韓国の大統領経験者とその配偶者が同時期に有罪とされたのは初めて。 ■大統領の配偶者の地位を「私的利益のために利用」 ソウル中央地裁の判事は、金氏が「私的利益を追求する手段として、(大統領の配偶者という)自分の地位を利用した」と判断した。 「地位が高いほど、そのような行為に対してより自覚が求められる。(中略)被告は、誘惑を拒否せず、自分を着飾ることにとらわれていた」と、判事は述べた。 特別検察チームによると、金氏は2022年4〜7月にかけて、旧統一教会の事業に便宜を図る見返りに、英ブランド・グラフのダイヤモンドのネックレスや、仏ブランド・シャネルのバッグなど総額8000万ウォン相当の物品を受け取っていた。 検察側は、3件の罪状について、懲役15年と罰金20億ウォンを求刑していた。しかし裁判所は、金氏が自ら賄賂を要求しておらず、「重大な前科がない」点を考慮した。 それでも、金氏には1281万5000ウォンの追徴金支払いと、ダイヤモンドのネックレスの返還が命じられた。 ■旧統一教会信者の動員などの疑いも 金氏はこのほかにも、夫が所属していた保守政党「国民の力」に旧統一教会の信者を動員する計画に関与した罪や、政府関係機関のポストを与える見返りに贈り物を受け取った罪で起訴されている。これらの審理はまだ始まっていない。 金氏はすべての罪状を「極めて不当」だとして否認しているが、シャネルのバッグを受け取ったことについては認めている。バッグは使用せずに返却したとしている。 昨年8月に特別検察からの要請に応じて出頭した際には、記者団の前で、「私のような取るに足らない者が、国民にご迷惑をおかけしたことを心から謝罪します」と述べた。 金氏と旧統一教会の関係をめぐる捜査は、教団の韓鶴子総裁の逮捕にもつながった。 金氏は、刑事事件以外にも物議を醸している。昨年には淑明女子大学が、1999年に金氏が取得した美術教育の学位を取り消すと発表した。倫理委員会が、金氏の修士論文に盗用があったと指摘したことを受けた措置だった。 (英語記事 South Korea's ex-first lady jailed for 20 months for bribery)

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