位置情報を特定する機器が、ストーカーなどの犯罪に悪用されるケースが後を絶たない。昨年12月に水戸市で女性が殺害された事件では、発信器入りのぬいぐるみが住所の特定に使われた可能性が浮上。こうした機器はストーカー規制法で悪用が禁止されているが、インターネット上などで容易に入手でき、専門家は無断で取り付けられた場合に検知するための対策の周知や、摘発の強化を求めている。 ■紛失防止タグ、規制対象に 昨年12月31日、水戸市のネイリストの女性が自宅アパートで殺害された事件。室内から発信器入りのぬいぐるみが見つかり、殺人容疑で逮捕された元交際相手が、女性の自宅を捜し当てるために準備したとみられている。ぬいぐるみは当初、女性の実家に送られたが、事件当時は自宅で保管されていた。 位置情報を特定できる機器には、衛星利用測位システム(GPS)や、無線通信を利用し、スマートフォンを経由して情報を得る「紛失防止タグ」などがある。 GPSの悪用は令和3年のストーカー規制法改正で禁止されたが、その後、当時は規制対象外だったタグに関するストーカー相談が急増。3年の3件から、6年には370件に達したことから、警察庁は昨年11月、タグの無断取り付けを禁止するストーカー規制法の改正案を示し、同12月に成立・施行された。 過去の相談事例では、離婚調停中の夫が、居場所を秘匿して生活していた妻と子供との面会時に、タグを入れたぬいぐるみを子供に渡すなど水戸市の事件と類似するケースも確認されていた。 ■スマホの設定、見直しを 知らない間にGPS機器やタグを取り付けられたら、どのように対処すればいいのか。 ITジャーナリストで成蹊大学客員教授の高橋暁子氏によると、紛失タグは500円玉ほどと小さく、気付かない間に荷物に潜ませることなどが可能で、無断取り付けの未然防止は「難しい」とする。ただ、スマホの設定を最適化することで、設置された不審なタグを検知することは可能だ。 iPhone(アイフォーン)の場合、「設定」から「位置情報サービス」「iPhoneを探す」「Bluetooth(ブルートゥース)」をオンにした上で、「設定」から「通知」にある「トラッキング通知」の「通知を許可」をオンにする。