滋賀県警草津署が執務時間外などを理由に、国選弁護人の選任手続きを怠ったのは違法だとして、男性受刑者が県に110万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大津地裁(池田聡介裁判長)は3日までに、県警の対応を違法と認め、16万5千円の支払いを命じた。1月29日付。 判決によると、受刑者は逮捕、勾留されていた2020年10月23日、当番弁護士との接見後、草津署員に国選弁護人の選任を希望した。ところが、署員は執務時間外にはできないと誤認し、手続きを進めなかった。受刑者は週明けの同26日までの3日間、弁護人不在のまま取り調べを受け、弁護人の選任権や援助を受ける権利を侵害された。 憲法34条は「直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ拘禁されない」、刑事訴訟法は国選弁護人の選任について「何時でも弁護人を選任できる」と定めている。 県警は手続きが遅れた過失は認めつつ、運用に法令違反はないと主張していた。 池田裁判長は判決理由で、容疑者が国選弁護人を希望した場合、留置担当の署員は「直ちに手続きをすべき職務上の義務を負う」と指摘。受刑者が選任を希望した時点で生じる、選任に向けた請求書を交付する義務に違反した、と結論づけた。 県警監察官室の木林誠室長は「判決の内容を精査した上で、今後の対応を検討する」とのコメントを出した。 ◇ 大阪大法科大学院の水谷規男教授(刑事訴訟法)の話 被疑者の勾留は、原則10日間なので3日間、弁護人なしで取り調べを受けた原告の不利益は大きい。捜査官が被疑者の無知につけ込み、不利益な供述を取ってしまうリスクがあり、弁護人の専門的な助言は不可欠だ。休日や夜間に弁護人が接見することは珍しくない。なぜ、署員が「時間外は選任できない」と思い込んだのか、不可解だ。被疑者の防御権のため、弁護人の選任が極めて重要だという認識が、署員に欠けているのではないか。