広島地検は17日、指定薬物のエトミデートを使用したとして、医薬品医療機器法違反の罪で広島・羽月隆太郎容疑者(25)を起訴した。起訴を受け、日本野球機構(NPB)の榊原定征コミッショナー(82)が声明を発表した。 「本日、広島東洋カープ球団の羽月隆太郎選手が起訴された事実を大変重く受け止めており、誠に遺憾に思います」としたうえで「日本プロフェッショナル野球組織はこれまでに、アンチ・ドーピングはじめ薬物使用に関しては、『ガイドブックの配布』、『NPB新人選手研修会での講習』、『キャンプ講習会(研修動画のオンデマンド視聴)』などの啓発活動に取り組んでまいりましたが、今回の事態を受けまして、改めて12球団とも連携し再発防止に努めてまいります」と発表した。 同容疑者は1月27日に医薬品医療機器法違反の疑いで広島県警に逮捕された。広島の鈴木清明球団本部長(71)はこの日、報道陣に対応し、今後の対応について「事実に基づいて粛々と進めていく。どうしていくかはこれから進めていく」と話し、契約解除に関しては「こちらで考えて選手会を含めて話をしていきます」と変わらない方針だった。 広島県警によると昨年12月16日、110番通報を受けて警察官が向かった先に、通報者と羽月容疑者がいた。場所は広島県内で、任意同行して尿検査をすると、エトミデートの陽性反応が出た。県警は1月27日に医薬品医療機器法違反の疑いで容疑者を逮捕し、同29日に送検。30日にはチームの本拠マツダスタジアム(広島市南区)、大野屋内総合練習場(廿日市市)を家宅捜索していた。 エトミデートは「ゾンビたばこ」や「笑気麻酔」と呼ばれ、若年層を中心に広がっている。過剰摂取で手足がけいれんしたり、意識を失ったりする場合があり、政府は取り締まりを強化する考えを示している。同容疑者は当初「使った覚えはありません」と容疑を否認していたが、2月6日にエトミデートの使用を認める供述を始めたことが分かった。 羽月は神村学園から18年ドラフト7位で19年に広島入団。7年目の昨季は主に代走や守備固めとして74試合に出場して打率・295、4打点、自己最多の17盗塁の成績を残した。通算では277試合に出場して打率・243、1本塁打、34打点、51盗塁。今春季キャンプは2軍スタートとなっていた。