客の恋愛感情につけ込み正常な判断をさせないようにする「色恋営業」をしたとして、東京都公安委員会が18日、東京・歌舞伎町のホストクラブに対し、改善を求める指示処分を出したことがわかった。昨年6月に施行された改正風俗営業法で色恋営業が禁止されて以降、行政処分は全国初。 警視庁の捜査関係者によると、指示処分を受けたのは、社交飲食店「AXEL by ACQUA」(新宿区歌舞伎町2丁目)と、「AXEL TOKYO by ACQUA」(同歌舞伎町1丁目)。これらの店舗をめぐっては、従業員の竹岡拓人容疑者(27)がホストクラブ従業員であることを隠し、マッチングアプリで知り合った20代の女性計3人を勧誘したとして、風俗営業法違反(客引き)の疑いで18日までに2回逮捕された。 容疑者はホストであることを隠して女性らと知り合い、「実は将来の夢のために副業でホストをやっている」などと店に勧誘し、高額請求。女性らは消費者金融で借金したり、貯金を使ったりして、このうち一人は約600万円を支払ったという。 捜査関係者によると、警視庁には数十人の女性から容疑者に関する相談が寄せられたほか、容疑者の携帯電話から女性約400人の家族構成や仕事、資産状況を記した名簿が見つかったという。 ■「飲食しなければ関係破綻」は禁止 営業営業停止や許可取り消しも 改正風俗営業法では、ホストクラブなどを対象に、客の恋愛感情につけ込む色恋営業を規制。飲食をしなければ関係が破綻(はたん)すると告げることなどを禁じた。公安委の指示に従わないなど悪質な場合は、店の営業停止や許可取り消しにつながることもある。 悪質ホストクラブをめぐっては、客に支払い能力を超える売掛金(ツケ)を負わせたり、売春を強要したりする事件が相次いだ。このため風営法は改正され、悪質ホストへの規制が強化された。(太田原奈都乃)