<東京P.D.>犯人逮捕だけが正義じゃない…福士蒼汰が“広報官”として覚醒する、5話分の軌跡とSNS時代の新たな戦い

現在好評放送中のドラマ「東京P.D. 警視庁広報2係」(毎週火曜夜9:00-9:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)。本作が中盤の折り返しとなる第6話がいよいよ放送間近! 今回は本作の魅力に迫るべく、これまでの5話分を振り返る。 ■「刑事」ではなく「広報」を描く意欲作 福士蒼汰主演の「東京P.D.警視庁広報課2係」は知られざる警視庁広報課を描く異色作。福士が演じるのは捜査一課の刑事を夢見ながらも所轄の刑事から、報道陣の対応を専門にする警視庁広報課2係に配属となってしまう今泉麟太郎だ。 自らの過去からマスコミを「マスゴミ」と呼び毛嫌いする今泉が目撃したのは信じられない光景…。 新聞やテレビの記者と飲み会を主催する下地和哉(正名僕蔵)や、女性記者からの頼み事には情報提供してしまう時永修次(竹財輝之助)といった上司。また、勝手に広報課に出入りする記者たち…。 これまでの常識が全く通じず困惑する今泉。そんな折、アパートで女性が刺殺される事件が発生する。犯行は現役警察官がストーカー化して女性を殺害した事件であることが明らかになるも、上層部はこの事実を隠蔽する工作に動き出す。 その上層部のやり方に苛立ちを隠せない今泉。しかし、捜査一課の松永管理官(利重剛)は、広報課の今泉の上司で元捜査一課の安藤直司(緒形直人)による説得もあって、警察による隠蔽を暴露。マスコミが警察の不祥事をかき立てる中、広報課の熊崎心音(吉川愛)が得た捜査一課も上層部も入手していない情報をもとに、今泉たちは真犯人のもとにたどり着くのだった。 この第1話、第2話で描かれているのは、警察機関におけるパワーバランスや、広報の仕事。今泉は終始それに翻弄されていくのだが、上司・安藤の言葉を拠りどころに徐々に「刑事としてでなく、広報だからできること」を見出していく。ふたりの師弟関係の今後も気になる前半のエピソードだ。 ■軋轢と葛藤の中で成長していく今泉の姿 第3話、第4話では、女性5人の遺体が発見され、川畑礼介(猪俣周杜)という男が被疑者として拘束される事件が描かれる。しかし、彼の自宅や腐敗の進んだ遺体にも川畑が殺人を犯した明確な証拠は何ひとつない。 そんな中、YBXテレビの記者・稲田裕司(金子ノブアキ)がどこよりも早く実名報道に乗り出したことで、メディアの報道は過熱。被害者の遺族に殺到するマスコミ。職場や親戚にマスコミからの電話が止まず、SNSも炎上。被害者遺族の心が病んでいく。 今泉は川畑の殺人の証拠を探しながら、被害者遺族への謝罪を綴った稲田からの手紙を預かるのだった。 ここで描かれるのは、広報は警察とマスコミのみならず、事件と社会、マスコミと被害者遺族を “つなぐ”役割を担っていること。今泉はその中で、「マスゴミ」とまで憎んでいた稲田の心の内を知ることになっていく。 さらに第5話のテーマは「報道協定」。このエピソードでは、資産家の息子の誘拐事件が発生。そこで、捜査一課が「報道協定」を要請。報道協定とは、犯人を刺激しかねないため、事件に関する報道をメディアに控えてもらう代わりに、捜査状況を記者たちに随時共有する決まりのこと。 しかし、犯人の立てこもり先のマンションの向かいでは、捜査二課が数年をかけた若手政治家・若草賢三(勢登健雄)の公金横領疑惑のガサ入れ目前。片方で捜査を開始すれば、片方の事件を逮捕もしくは検挙するのが難しくなってしまう。 かたずを呑んで見守る捜査一課や広報課の面々。ここで今泉は独自の発案で、捜査二課のガサ入れを先行して行い、それを囮にして、誘拐犯のアジトに突入する作戦を立案。それが功を奏して――という展開だった。 この話数では見事、今泉の成長が事件解決へと導き、彼の成長が示唆される。 ■「広報」を主軸にした警察ドラマのリアル その「東京P.D. 警視庁広報2係」はいよいよ第6話が放送される。 最新話では、街中で通り魔事件が発生。犯人はレンタカーで現場に乗り付け、ナイフで無差別に通行人を切りつけたのだ。 すぐSNSでは、レンタカーを借りた男の情報がSNSで流布され、その男性の家族のもとには無法な配信者がやってくる。やがて、「犯人探し」はどんどん蔓延していき…。 この物語では情報をコントロールする部署だった広報課のSNS時代における限界や、そこと今泉たちがどのように対峙していくかが描かれる、まさに「いま」的な内容。 報道や情報に関して、かつて以上に複雑化している現代社会で、広報としての自ら「やれること」を模索する今泉はどのように犯罪に巻き込まれた人の心を守っていこうとするのか。 その姿は、あらゆる軋轢や葛藤の中で戦う、企業人、社会人にとっても一つのエールになるに違いない。 また今泉、そして安藤の過去のストーリーも気になるところ。season1の終了後からFODでseason2の独占配信が決定している本作。警察の裏側を描く画期的なドラマである本作からまだまだ目が離せない! ■文/河内文博

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