写真流出、ホットタブ、ピザゲート……クリントン夫妻の宣誓証言の映像公開

ブラジェッシュ・ウパディヤイ記者 性犯罪で有罪となった米富豪ジェフリー・エプスティーン元被告(故人)について調査している米連邦議会下院の監視委員会は2日、ビル・クリントン元大統領と妻のヒラリー・クリントン元国務長官による宣誓証言の映像を公開した。 ヒラリー氏は26日、ビル氏は27日に、それぞれ数時間にわたり非公開で証言した。ビル氏は、元被告の犯行について「何も見なかった」し、自分は「悪いことを何もしていない」と述べた。ヒラリー氏も、元被告の犯罪を「全く知らなかった」と語った。 夫妻は共に、エプスティーン元被告の被害者らから不正行為を指摘されていないが、ビル氏は、司法省が公開した関連資料に繰り返し登場する。このことが、夫妻に対する証言要請につながった。 9時間を超える映像証言から主な点をまとめた。 ■写真流出に怒り、退室しようとする場面も ヒラリー・クリントン氏の宣誓証言で最も劇的だったのは、ヒラリー氏の弁護士の一人が、証言の様子は非公開の決まりだが、証言に臨む自分たちの姿を撮影した写真が流出したと知らせた時だった。 その後、共和党のローレン・ボーバート下院議員(コロラド州)が、証言に臨むヒラリー氏たちの写真を撮って共有したのは自分だと認めたが、写真は証言が始まる前に撮影したと述べた。この写真は、保守系インフルエンサーによってソーシャルメディアで共有されていた。 監視委が公開した映像には、ヒラリー氏が机を叩き、「関係ない。私たちは全員同じルールに従っている」と強い口調で述べる様子が映っている。 ヒラリー氏の弁護士は室内の議員らに対し、ヒラリー氏が公開の公聴会を求めていたことを指摘。公開であれば、一般市民がリアルタイムで証言を傍聴できたが、委員会はそれを拒否していた。 「もうたくさん。あなたたちがそんなことをしているなら、もうたくさんです。これ以上つきわない」、「いつまでも私を侮辱罪に問えばいい」とも、ヒラリー氏は述べた。 その後、証言は休憩のために一時中断された。再開時には、ヒラリー氏の弁護士が画像流出について委員会を叱責した。 「まったく容認できない事態だと私たちは考えている」と、弁護士は述べ、「プロフェッショナルではないし、不公平だと考えている。私たちはこの証言が、ルールに従って、期待通りに進められることを望んでいる」と求めた。 ■UFOとピザゲート 証言が数時間進んだところで、共和党のボーバート下院議員が「ピザゲート」の問題を持ち出した。このすでに否定された陰謀論は、ヒラリー氏の側近が関係する児童性的虐待組織が、首都ワシントンのピザ店で運営されていたというもの。 ヒラリー氏の弁護士とボーバート議員の間で、同議員がいったい何を尋ねたいのかについてやり取りが続いた。ボーバート議員はその後、エプスティーン資料の中で「ピザゲート」に言及したものがあるか、ヒラリー氏がその内容を確認したかどうかを質問しているのだと説明した。この間、ヒラリー氏は困惑した表情だった。 「ピザゲートは完全に作り話だ。大勢を傷つけた、とんでもない疑惑だった」とヒラリー氏は述べ、「あなたがそれを取り上げていること自体、信じられない」と付け加えた。 ボーバート議員はピザゲートについてさらに質問を繰り返し、ヒラリー氏の弁護士はそれに異議を唱えた。 共和党のエリック・バーリソン議員は、自分は質疑を「気楽な質問」から始めたいと述べた。 バーリソン議員は、米実業家ローレンス・ロックフェラー氏(故人)が、ビル・クリントン政権下で未確認飛行物体(UFO)に関する政府資料の機密解除を推進したと述べた。また、ヒラリー氏が大統領選挙に立候補した際、彼女の顧問の1人が、当選すればUFO資料を公開すると公言していたとも発言した。 バーレソン議員は続けて、この資料が公開される可能性があることを、ヒラリー氏は今、喜んでいるかどうか尋ねた。ドナルド・トランプ大統領は先月、UFOと宇宙人に関する資料の公開準備を指示していた。 ヒラリー氏は喜んでいると述べ、「開示できるものはすべて開示されるべきだと思う」と付け加えた。 ■トランプ氏とゴルフ中にやりとり ビル・クリントン氏は数時間にわたる宣誓証言の中で、トランプ氏は証言を求められるべきかと尋ねられた。 ビル氏は、「それはあなたたちが決めることだ」、「しかし、彼はエプスティーンをよく知っていた」と述べた。 ビル氏は、2002年か2003年頃にトランプ氏とエプスティーン元被告について交わした会話を振り返った。 「(トランプ氏は)自分が不適切なことに関与していると私に思わせるようなことを、私に言ったことは一度もない(中略)彼はただ、『私たちは友人だったが、不動産取引をめぐって仲たがいした』と言っただけだ」 このやり取りは、トランプ氏のゴルフ場で行われた資金集めイベントの最中のことだったと、ビル氏は述べた。 また、自分が以前エプスティーン元被告の飛行機に乗ったことがあるのを、トランプ氏は知っていたはずだと述べた。 トランプ氏はビル氏に、「私たちは長年、素晴らしい時間を過ごしてきた。しかし仲たがいした。すべては不動産取引のせいだ」と話したという。 二人の間で元被告の話題を持ち出したのが誰だったか覚えているかと尋ねられると、ビル氏は「覚えていないが、もし自分だったら我ながら驚く。自分はそういうことはしないので」と答えた。 トランプ氏が元被告と一緒に過ごした時間についてさらに詳しく語ったかという質問には、トランプ氏が会話に「性的な意味合いを持たせるようなこと」は何も加えなかったと述べた。 ■ホットタブの写真について 宣誓証言の半ばごろでビル氏は、エプスティーン資料の一部として米司法省が公開した写真について質問を受けた。この写真には、顔が塗りつぶされた別の人物と共にビル氏がホットタブ(水着で入る温水浴槽)でくつろいでいる様子が写っていた。 質問した議員は、国民がその画像の「背景」や「詳細」を知りたがっていると述べた。 「その写真が撮られたことを、自分は知らなかったと思う」とビル氏は述べ、さらに、これが「長い」アジア歴訪の終わりにブルネイで撮影されたと「ほぼ確信している」と付け加えた。 「大統領としての8年間で、ブルネイ国王をよく知るようになった」と、ビル氏は振り返り、国王がクリントン財団のプロジェクトを支援すると申し出たほか、このホテルを提案したと説明した。 「このホテルに泊まってもらいたい、できればプールを使って欲しいと言われた。だからそうした。そしてプールから出て寝た、疲れ果てていた」と、ビル氏は笑いながら証言した。 米司法省が身元を編集した写真の中のもう一人の人物について尋ねられると、ビル氏は2度、「誰だかわからない」と答えた。 「私はホットタブに5分かそれぐらい入って、出て、寝た」 その夜、あるいはホットタブにいたその人物との間で何らかの性的行為があったのか追及されると、ビル氏は否定し、首を横に振った。 司法省が公開した他の数枚の写真は、同じホテルで撮影されたもののように見える。それらには、顔が塗りつぶされた他の人物が、ホットタブやプールエリアにいる様子や、エプスティーン元被告の共犯者で現在服役中のギレイン・マックスウェル受刑者が写っている。 ■元被告の「犯罪を目撃していない」 映像では、監視委の冒頭で元大統領は、エプスティーン元被告による不正行為を一切知らなかったと述べた。また、元被告に関する調査に自分がかかわることで、「このようなことが再び起こるのを防げる」よう望んでいると話した。 ビル氏は、自分はエプスティーン元被告の「短期間の知人」にすぎず、2人の関係は「彼の犯罪が明るみに出る何年も前に終わっていた」と力強く述べた。 そのうえで、元被告の被害者への懸念を共有した。 元大統領と元被告の関係は長年にわたり知られてきたが、ビル氏はそのつながりは慈善活動を通じたものだったと、繰り返し述べてきた。 ■マックスウェル受刑者について 未成年女性への性的虐待罪で有罪となり、禁錮20年の刑に服しているマックスウェル受刑者について、トランプ氏が恩赦や減刑を与えるべきかという質問に、ビル氏は「それについて、私がコメントすべきではないと思う」と答えた。 ビル氏は、マックスウェル受刑者とは「親しくしていた」と話し、その逮捕は「私にとって本当につらいことだった」と述べた。 「悲しかった。しかし彼女がしたことはひどいことで、罰せられるべきだ」 「その判断は私以外の誰かがすべきだ」 米司法省が公開した資料には、ビル氏とエプスティーン元被告の間の直接的なメッセージは示されていない。しかし2人は、マックスウェル受刑者と、ビル氏の最側近の一人であるダグ・バンド氏の間メッセージで、言及されていた。 マックスウェル受刑者とバンド氏が2002年から2004年の間に交わしたメールには、お世辞や性的な含意が随所にあふれ、親密な関係がうかがえる。バンド氏は、マックスウェル受刑者を自分の「恋人」と呼んでいたこともある。 (英語記事 Leaked photo, hot tub, and Pizzagate – video of Clintons' testimony on Epstein ties released)

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