女優の山口淑子と作家の藤原作弥による共著『李香蘭 私の半生』が3月6日より朝日文庫より発売された。 本書は、戦前から戦後にかけて日中両国で活躍した女優・歌手、李香蘭として知られる山口淑子の半生を綴った自叙伝。中国人女優として名声を得た李香蘭の正体は日本人であり、戦後は山口淑子として活動したほか、ハリウッドではシャーリー・ヤマグチの名で映画にも出演。その後はワイドショーの司会や政治活動など、多岐にわたる分野で活動した人物として知られる。 盧溝橋事件の翌年、満州で生まれ育ち流暢な中国語を話した山口は、日本人でありながら満州映画協会で中国人女優・李香蘭としてデビュー。満州国が掲げた「五族協和」「日満親善」の国策のもと、日本、満州、中国で女優・歌手として人気を博した。一方で、まだ見ぬ祖国・日本と生まれ育った中国という二つの国の間で、自身の立場を公にできない葛藤を抱えながら活動を続けたという。 終戦後、中国人女優として活動していた李香蘭には「漢奸(対日協力者)」として逮捕の危機が迫るが、日本人であることが明らかとなり釈放される。その後、日本では山口淑子として芸能活動を再開し、ハリウッド映画にも出演。外交官との結婚や芸能界引退を経て、ワイドショー司会者として復帰し、1974年からは政治家としても活動した。 本書には、こうした激動の時代を生き抜いた山口淑子の歩みが、自身の視点から克明に綴られている。解説は、『女帝 小池百合子』の著者であるノンフィクション作家の石井妙子が担当している。 ◎書籍情報 『李香蘭 私の半生』著:山口淑子、藤原作弥 2026年3月6日(金)発売 1,650円(tax in.)