業務委託を装って不正送金し会社に損害を与えたとして、会社法違反(特別背任)などの罪に問われた投資ファンド運営会社「IDIインフラストラクチャーズ」(IDII)の元代表取締役、埼玉浩史被告(62)の初公判が19日、東京地裁(細谷泰暢裁判長)で開かれた。埼玉被告は罪状認否で「架空の業務への支払いという認識はなく、会社に損害を与えるつもりもなかった」と無罪を主張した。 主な争点は、IDIIが別会社を通じて行った海外法人への送金に正当な理由があるかどうか。検察側は冒頭陳述で、被告は親しい関係にあったシンガポール在住の女性らの生活資金を捻出するため、部下に命じて送金させていたと指摘。弁護側は、部下は指示に反して送金していたと反論した。 起訴状によると、平成30年6月に部下らと共謀し、業務委託費名目で別会社に2160万円を送金して損害を与えたなどとしている。 事件を巡ってはIDIIの内部調査で不正流用が判明。令和6年10月、東京地検特捜部が会社法違反などの容疑で被告を逮捕。今月に入り保釈されていた。 関係者によると、事件では捜査に協力する代わりに自身の起訴を免れることができる日本版「司法取引」(協議・合意制度)を適用。特捜部が会社関係者から内部資料を入手したという。