ニューヨーク(CNN) 米ニューメキシコ州の陪審は24日、米メタが州法に違反したとの判断を下した。メタを巡ってはプラットフォームの危険性をユーザーに警告せず、児童を性的搾取者から守らなかったとして訴訟が起こされていた。 陪審は、メタがすべての訴因について責任があると判断。「不公正かつ欺瞞(ぎまん)的」で「不道徳な」商慣行に故意に従事したなどとして、同社に3億7500万ドル(約595億円)の損害賠償を命じた。 メタに対しては長年にわたり、児童の親や内部告発者、支援団体、議員らが、プラットフォーム上における子ども並びに青少年へのリスクについて懸念を訴えてきた。24日の判断は、同社がこれらの問題で陪審裁判において初めて責任を問われたことを意味する。 メタの広報担当者は、同社は陪審の判断に「敬意をもって」異議を唱え、不服を申し立てる予定だと述べた。 ニューメキシコ州のラウル・トレス司法長官は2023年、メタがフェイスブックとインスタグラム上で児童性犯罪者の「温床」を作り出したとして同社を提訴。同社はこの主張を否定していた。陪審の提示額はニューメキシコ州が求めていた数十億ドルの損害賠償額より少なかったが、今後判事に直接提出される訴訟の後半部分では、メタにプラットフォームの変更を強制し、追加の罰金を支払わせる可能性もある。 この訴訟は、メタをはじめとするソーシャルメディアプラットフォームが若年ユーザーの安全性をめぐって直面している法的圧力の波の一部だ。ニューメキシコ州裁判所の陪審が今回の判断を下す一方で、ロサンゼルスの陪審は別の訴訟を審議している。そこではメタとユーチューブが、意図的に中毒性のある機能を設計して若い女性の精神衛生を害したとして訴えられている。ソーシャルメディア大手はまた、個人や学区、州司法長官などから数百件もの訴訟を起こされており、その一部は今年後半に裁判が始まる予定だ。 23日の最終弁論に先立つ6週間の裁判では、メタの幹部や内部告発者となった元従業員などが証言した。州司法長官によるメタのプラットフォーム上での児童性的搾取に関する潜入捜査の詳細も法廷で議論された。この捜査は3人の逮捕につながった。 ニューメキシコ州の陪審員は、メタがプラットフォームの安全性について意図的に虚偽かつ誤解を招くような発言をしたか、あるいは若者に害を与えることを知りながらプラットフォームを設計するなど「非良心的な」行為を行ったかどうかを判断する任務を負っていた。 「当社はプラットフォーム上でユーザーの安全を守るために尽力しており、悪質な行為者や有害なコンテンツを特定し削除することの難しさについて認識している」と、メタの広報担当者は24日の声明で述べた。その上で「当社は今後も引き続き積極的に自らを守っていく。またオンライン上の若者を保護してきた実績には依然として自信を持っている」と続けた。 トレス氏は今回の判断を「歴史的な勝利」と称賛。子どもの安全より利益を優先するメタの選択から被害を受けたすべての子どもと家族にとって望ましい結果だとした。 判断に先立ち、メタの広報担当者は23日、以前の声明を引用する形でニューメキシコ州での訴訟を批判。「都合の良い文書だけを選び出し、扇情的で的外れな、注意をそらすような主張をしている」とし、同社による「若者支援への長年の取り組み」も無視していると強調していた。 メタ側の弁護士は裁判で、同社は一部の悪質なユーザーや不適切なコンテンツが安全フィルターをすり抜ける可能性があることをユーザーに正直に伝えてきたと主張した。それでもフェイスブックとインスタグラムの安全確保にはメタの4万人の従業員が責任を負っており、同社は若いユーザーを保護するための対策に多額の投資を行っていると述べた。 ニューメキシコ州司法長官事務所は、メタに対する捜査の一環として、子どもになりすました複数の偽のフェイスブックおよびインスタグラムのアカウントを作成した。訴状によると、これらのテストアカウントは性的に示唆的なコンテンツやポルノコンテンツの共有要求に遭遇したという。 24年5月に逮捕されたニューメキシコ州の成人男性3人は、これらの偽の子どもアカウントに接触し、性行為を求めたとされる。3人のうち2人はモーテルで逮捕された。彼らは、おとりアカウントとのやり取りに基づき、そこで12歳の少女と会う予定だと信じていたとされる。 裁判中、州側はメタがプラットフォーム上の悪質な行為者が子どもたちに接触するのを防ぐための対策を十分に講じていなかったと主張した。 一方メタの弁護士は州の捜査の正当性に疑問を呈し、州司法長官事務所がハッキングまたは盗まれたアカウントや、同意のない実在の児童の写真を使って搾取者をおびき寄せていると非難した。メタの広報担当者アンディ・ストーン氏は先月、X(旧ツイッター)への一連の投稿で、この捜査を「倫理的に問題がある」と評していた。 トレス氏は以前、こうした批判を「注意をそらすためのもの」と一蹴。23日のCNNとの取材では「訴えられた側が自分たちの責任に真剣に向き合わず、捜査を攻撃しようとすることは往々にしてある」「陪審員がそんな言い訳に引っ掛かるとは思えない」と語っていた。