【「九条の大罪」が話題沸騰!】柳楽優弥の熱演を“浴びる”作品10選「ガンニバル」「浅草キッド」「ディストラクション・ベイビーズ」ほか

「闇金ウシジマくん」の作者、真鍋昌平による最新作で、累計部数400万部を超える話題作を実写化したNetflixシリーズ「九条の大罪」が大きな話題を集める中、半グレ、前科者など、厄介な依頼人の案件ばかりを引き受ける弁護士・九条間人を演じる柳楽優弥に改めて脚光が集まっている。 俳優デビュー作にして、主演を務めた「誰も知らない」(2004)が第57回カンヌ国際映画祭のコンペ部門に出品され、当時14歳だった柳楽は日本人初となる男優賞を史上最年少で受賞。以来、鋭い眼差しと変幻自在の輝きで、類まれな存在感を放ち続ける柳楽の熱演を“浴びる”映像作品10タイトルを紹介したい。 ●1.「ガンニバル」 2018年に連載が開始され累計発行部数215万部を超える、二宮正明氏の同名サスペンスコミックを実写ドラマ化。柳楽演じる主人公の警察官・阿川大悟が、「人が喰われているらしい」と噂される供花村(くげむら)に赴任し、村のタブーに切り込むが、やがて大悟本人が狂気の淵へと追い込まれてしまう。 柳楽は正義が狂気に変わっていく危うさを体現。村を支配する後藤家や不気味な村民たちと対峙しながら、次第に「どっちが本当の怪物か?」と思わせる緊張感を漂わせる。家族への愛情や優しさを見せつつ、怒りのスイッチが入った瞬間、「ボケカスが!」「バカタレが!」と暴力が爆発する二面性も見逃せない。完結編となるシーズン2では、アクション要素も強まり、筋肉質の身体を活かした激しい動きも披露。画面を支配する“瞳”の力は、柳楽の真骨頂だ。「ガンニバル」はディズニープラスで配信されている。 ●2.「ディストラクション・ベイビーズ」(16) 愛媛県松山市を舞台に若者たちの欲望と狂気を描いた青春群像劇。「イエローキッド」「NINIFUNI」などで世界的注目を集める新鋭・真利子哲也監督が商業映画デビューを果たした。 柳楽は、松山の中心街で強そうな相手を見つけてはケンカを仕掛け、打ちのめされても食い下がる主人公・泰良を演じた。目的のない純粋な暴力衝動に突き動かされたキャラクターで、セリフがわずかである代わりに、言葉にならない表情や仕草、身体性でその内面(あるいは内面の欠如)を表現する難役だ。エスカレートする暴力が周囲を巻き込む役どころだが、絶対悪としての存在感と、なぜか惹きつけられてしまう人間味という相反する要素が同居し、一瞬たりとも目が離せない。柳楽にとっても、ターニングポイントとなった重要作だ。 ●3.「銀魂」(17) 「週刊少年ジャンプ」連載の空知英秋原作による大ヒットコミックを、実写映画化。宇宙人に支配された江戸で万事屋を営む侍・坂田銀時(小栗旬)と仲間たちの活躍を描く。柳楽は真選組一のモテ男・土方十四郎を演じ、クールで熱血だが、マヨネーズをこよなく愛する姿をコミカルに表現している。刀を手にした、威厳とキレのある殺陣シーンも見せ場だ。 続編「銀魂2 掟は破るためにこそある」では、土方がひょんなことから別人格の“トッシー”をその身に宿してしまう。日を追うごとにアイドルやフィギュアへの情熱が抑えられなくなり、そのことを機に、真選組と江戸を大騒動に巻き込む姿は、柳楽の新境地。指の動き、声のトーン、仕草などオタク仕様の演じ分けが、土方との“ギャップ萌え”を生み出している。 ●4.「夜明け」(19) ある日、川辺を歩いていた初老の哲郎は、水際に倒れていた青年を助ける。介抱された青年は自ら「シンイチ」と名乗り、哲郎が経営する木工所で働き始めるが、シンイチは本名を明かすことができないある秘密を抱えていた。 柳楽が演じるシンイチは、家族との確執や、ある事件への負い目を抱えており、心の奥底に虚無や自責の念を抱えた人物。一方、小林薫演じる哲郎は、シンイチに亡くなった息子を重ねて、ふたりは孤独や欠落を埋め合うように関係性を深めていく。柳楽は自然体な演技の中に、目の表情やわずかな視線の動き、肩の落ち方などで、シンイチの危うさと虚無を体現してみせる。 本作がデビュー作となる広瀬奈々子監督は、是枝裕和の監督助手を務めた経験があり、柳楽にとっては10数年の時を経て「誰も知らない」の“縁”に触れる感慨深い作品になった。 ●5.「泣くな赤鬼」(19) 生徒と教師の絆を描いた重松清の同名短編小説を映画化。“赤鬼”と呼ばれていた城南工業野球部監督・小渕隆(堤真一)は、かつての教え子、斎藤智之=愛称ゴルゴと偶然再会するが、ゴルゴは20代半ばにして、末期がんにより余命半年であることを知る。 ゴルゴを演じる柳楽は、末期がん患者という重い役どころに、あくまで自然体で臨み、時折見せる苦しそうな息遣い、うつろな眼差しを通して、その苦しみを体現。高校時代の回想シーンも含めて、野球の才能に溢れながら道を外れた若者から、家族を愛する一人の夫・父親、そして病と向き合うひとりの人間を演じきった。互いに感情をぶつけ合う、堤との化学反応も見応えたっぷりだ。 ●6.「HOKUSAI」(20) 「富嶽三十六景」など生涯を通して、3万点以上の作品を描き残したといわれる江戸時代の浮世絵師・葛飾北斎の知られざる生涯を映画化。柳楽が北斎の青年期、俳優で舞踊家の田中泯が北斎の老年期を演じている。 柳楽は売れない絵師として苦悩し、もがきながら「自分は何を描くべきか」を探求する北斎を、エネルギッシュで生々しい葛藤を前面に押し出しながら体現。人気絵師の喜多川歌麿や東洲斎写楽と比較され、嫉妬や悔しさをにじませる北斎の反骨精神に説得力を与え、北斎の内に宿る執念や純粋さといった“才能以外の何か”を感じさせる。 一心不乱に筆を走らせる若き北斎は、技術的な正確さや様式美の枠を超え、画家としてのパッションと自由を渇望する力強さがあり、その姿は、がむしゃらに俳優道を突き進む柳楽本人にも通ずるものがあるはずだ。 ●7.「映画 太陽の子」(21) 日本の原爆開発を背景に時代に翻弄された若者たちの姿を描き、2020年8月にNHKで放送されたドラマ「太陽の子」を、ドラマ版とは異なる視点で描いていく劇場版。柳楽が原子核爆弾の研究開発を進め、希望と恐怖の間で葛藤する若き科学者・石村修役を務め、三浦春馬さんが修の弟で、父の意思を継ぎ軍人になった裕之をそれぞれ演じている。 主人公の修は控えめで黙々と研究に取り組む青年。一方で、科学への好奇心と純粋な喜びに溢れており、柳楽の自然な演技が、キャラクターに生き生きとした活力を与えている。引き換えに、原爆の恐ろしさに気づきながらも、研究を進める葛藤や、戦争の影と苦悩が浮き彫りとなり、修自身が狂気へと転じる姿は胸が締め付けられる。科学に対する敬意と家族への愛、そして狂気の危ういバランスは「ガンニバル」に通ずるものがあり、柳楽の“静かな迫力”がいかんなく発揮されている。 ●8.「浅草キッド」(21) ビートたけしの誕生秘話を、劇団ひとりの監督・脚本によって描くNetflixオリジナル映画。昭和40年代の浅草、柳楽演じる若き日の“タケシ”が、大学を中退し、浅草フランス座に飛び込み、師匠・深見千三郎(大泉洋)のもとで芸を磨き、漫才コンビ「ツービート」として頭角を現すまでの青春物語だ。 柳楽は「たけしさんは、僕にとってバイブルのような存在です。悩んだときは、たけしさんの本やインタビューを読み、映画を見て元気づけられてきました」と語るほど、ビートたけし=北野武に深い思い入れを示しており、毒舌溢れる漫才シーンはもちろん、独特な仕草やタップダンスなどを入念に習得。物まねタレントの松村邦洋からも指導を受けた。もちろん、単なる物まねに留まるのではなく、芸人の情熱と矜持、照れ屋でナイーブな内面が“憑依”しており、「柳楽優弥が演じるタケシ」を愛おしく視聴者に届けている。 ●9.「ゆとりですがなにか インターナショナル」(23) 2016年に日本テレビ系列で放送された連続ドラマ「ゆとりですがなにか」を映画化。「野心も競争意識も協調性もない」と揶揄されてきた「ゆとり世代」の正和(岡田将生)、山路(松坂桃李)、そして柳楽が演じるまりぶは、30代半ばに差しかかり、それぞれ人生の岐路に立たされる。 元客引きで、11浪目で悲願の大学合格を果たすが、中国での事業が失敗してフリーナーに出戻る破天荒なまりぶは、ゆとり世代の象徴として、失敗続きの人生を歩む不器用な男だ。柳楽はそんなまりぶ特有の“ゆるさ”や世間とのズレを軽やかに演じ、脚本・宮藤官九郎らしいテンポの良い掛け合いでもコミカルに躍動。同時に、実は仲間や家族への思いやりが深い人間味をスパイスに、諦めず必死に生きる姿を見せつけ、ファンの心に“ブッ刺さる”キャラクターを息づかせている。 ●10.「夏目アラタの結婚」(24) 乃木坂太郎氏の同名ベストセラーコミックを実写映画化したサスペンス映画。連続バラバラ殺人事件の被害者の遺族に、まだ発見されていない被害者の首を探してほしいと頼まれた児童相談所職員の夏目アラタは、情報を引き出すため、事件の犯人で、逮捕時にピエロのメイクをしていたことから「品川ピエロ」の異名で知られる死刑囚・品川真珠に結婚を申し出る。 主人公のアラタを演じた柳楽は、死刑囚との結婚というリスクに果敢に飛び込む、ぶっ飛んだキャラクターを好演。加えて、真珠との駆け引きを通して、次第に惹かれていく心理も細やかに表現した。真珠を演じる黒島結菜とはドラマ「アオイホノオ」以来、約10年ぶりの共演で、両者が繰り広げるヒリヒリとした駆け引きも見せ場になっている。クローズアップも多い作品で、柳楽の視線と色気もたっぷり堪能できる。

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