【ソウル聯合ニュース】韓国のソウル警察庁は21日、人気グループ、BTS(防弾少年団)などを擁するエンターテインメント企業、HYBE(ハイブ)の創業者で同社取締役会議長を務める房時赫(パン・シヒョク)氏について資本市場法違反(詐欺的不正取引)の疑いで逮捕状を請求したと発表した。捜査が始まってから1年4か月が経ち、対応が後手に回っているのではないかとの批判が出るなか、警察が本格的な行動に乗り出した形だ。 房氏はHYBEの前身「ビッグヒットエンターテインメント」が上場を控えた2019年、同社株を持つ投資家らに対し上場計画はないと偽って側近が関わる私募ファンドに株を売却させ、その後に同社を上場させた疑いが持たれている。 警察は、房氏が私募ファンド側と事前に結んだ非公開契約に基づいて上場後に売却益の30%を受け取り、約1900億ウォン(約205億円)の不当な利益を得たとみている。 非上場株を含む金融投資商品に関連し、虚偽によって財産上の利益を得たり不正なスキームを利用したりする行為は資本市場法で禁じられている。これに違反して50億ウォン以上の利益を得た場合、無期または5年以上の懲役に処される。 警察は24年末に房氏を巡る疑惑について情報を入手。昨年6月と7月に韓国取引所やHYBE本社などを家宅捜索し、8月には房氏の出国を禁止した。9月から11月にかけては計5回にわたり房氏の取り調べを行い、裁判所を通じて房氏が所有する1568億ウォン相当のHYBE株を差し押さえた。 しかし、警察はその後「法理の検討」を行うとして5か月以上にわたり具体的な措置を講じず、捜査の遅れが波紋を呼んだ。房氏の容疑が成立しないか、法的な限界があるのではないかとの憶測も流れた。 捜査が長期化し、房氏は活動に制約を受けているとされる。こうしたなか、在韓米国大使館はBTSの公演などを理由に出国禁止の解除を求める書簡を警察庁に送付。外交上の非礼ではないかとして議論を呼ぶ事態となっている。 一方、警察関係者は房氏を被疑者として捜査したのは1年に満たないとし、逮捕状は捜査を続ける過程で請求したものだと説明した。 房氏は、会社の上場に際しては関連法令や規定を順守しており、法的に問題はないとの立場を貫いてきた。この日も弁護士を通じて「長期にわたり誠実に捜査に協力したにもかかわらず、逮捕状が請求されたことは遺憾」とし、「今後の法的手続きにも誠実に臨む」と表明した。 逮捕状が請求されると、裁判所は通常2~3日以内に発付の是非を判断する令状審査を行う。 HYBEの筆頭株主である房氏の逮捕状請求のニュースを受け、同社の株価は下落した。