【社説】クーパンのトップの安全を保障せよという米国の要求は司法主権の侵害だ

米国政府が、クーパンのトップであるキム・ボムソク氏の法的安全が保障されない限り、国の安全保障懸案を議論する韓米ハイレベルチャンネルを稼働させるのは難しいという意向を韓国政府に伝えたという。一介の犯罪容疑者の身柄処理の問題を、これとは無関係な両国首脳間の合意事項の後続措置の履行と結びつけたのだ。同盟間の信頼に深刻な損害を与える行為であり、容認してはならない司法主権の侵害だ。 22日、外交筋によると、米国政府は先月から、キム・ボムソク氏に対する出国禁止、逮捕、拘束などを行わないことを要求し、それが実現しなければ、外交・安保案件を扱う両国間のハイレベル協議を行わないという意向を韓国政府に伝えてきた。キム氏が韓国に来ても、その身辺に影響がないようにすると韓国政府が約束しない限り、原子力推進潜水艦の導入や核濃縮・使用済み核燃料の再処理権限の拡大など、昨年の韓米首脳会談での合意履行に向けた後続協議を続けないという意味だ。キム氏については、昨年発生したクーパンの個人情報流出事態などに関連し、警察から「入国時の通報措置」が法務部に申請されている。 韓国司法当局によるクーパン捜査に関連した米国政府の圧力は、これが初めてではない。クーパンに関する圧力は、J・D・バンス副大統領などドナルド・トランプ大統領の側近や共和党所属の政治家、米通商代表部(USTR)や商工会議所など、政・官・財界を網羅した全方位的なルートから加えられている。本社を米国に置くクーパンの執拗なロビー活動の結果だ。 自国で起きた犯罪行為を捜査し処罰することは、主権国家であれば当然持つべき権限だ。さらに、クーパンにかけられている容疑は個人情報の流出だけではない。違法な派遣やブラックリストの作成、不当な内部取引および出店企業のデータの不当な活用といった容疑もある。このような状況下で、犯罪容疑のある企業のトップに対し、米国が法的保障を要求し、それを国家間の外交懸案と結びつけるのは、国際関係の規範と礼儀を無視した無法な脅しに他ならない。 米国は2013年、フランスのエネルギー企業「アルストム」の幹部フレデリック・ピエルッチ氏を、インドネシアで行った贈賄共謀の容疑でニューヨーク空港にて逮捕したことがある。米国外で起きた事件に対し、米国内法である海外腐敗行為防止法(FCPA)を適用して、フランス国籍の企業人を逮捕したのだ。 キム・ボムソク氏が韓国に戻ってきたなら、クーパンが犯したとされる犯罪容疑について、主権国家である大韓民国の司法当局から適法な手続きに従って捜査を受けることになるだろう。それが常識であり、正義だ。 (お問い合わせ [email protected] )

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする