4月23日に放送された朝のワイドショー『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系)で繰り広げられた、元テレビ朝日職員でレギュラーコメンテーターの玉川徹氏(63)と、ゲストの千葉商科大・常見陽平教授(52)の“舌戦”。放送後もSNSでは多くの意見が飛び交い、現在も熱冷めやらずの状態となっている——。 23日放送の『モーニングショー』では「静かな退職」という特集が組まれていた。その話題の中で玉川氏と常見教授の意見がぶつかり合う場面があった。 さらに、常見教授は“会社側に問題があると感じた社員がそういう行動をとる”という説明をしていたのだが、その流れで「たとえば、松岡(松岡朱里アナ)さんとか草薙(草薙和輝アナ)さんが聞きたいんだけど、最近のワイドショー、どう思います?」「この番組はまともだけど、毎日、僕ら国民からすると、京都の殺人事件、これだけ報じないといけないのかと思うんですよね。どう思います?」と、議論のテーマとは無関係の京都府南丹市の男児遺体遺棄事件に関する報道姿勢について、松岡アナの方を向いて質問。 番組MCの羽鳥慎一(55)は「それは後にしましょう」と発し、玉川氏が「それはいま彼女に話させるのはすごくリスキーですよ。可哀相。そんなこと聞くべきじゃないですね」と言い、それに常見教授が「要は、働いていて、うちの会社は真っ当なことをしているの?ということが今、問われているということだと思いますよ」と語る——という一幕があった。 京都府南丹市の男児遺体遺棄事件は、3月23日から行方不明になっていた小学生・安達結希さんの遺体が4月13日に市内の山林で発見され、16日に父親・安達優季容疑者が死体遺棄容疑で逮捕され、殺害も認める供述もしたとされる事件。 同事件を巡っては、父親逮捕後も続く報道が議論を呼んでいる。4月20日放送の『大下容子ワイド!スクランブル』(テレビ朝日系)では、コメンテーターとして出演したジャーナリスト・池上彰氏(75)が「容疑者が捕まって、容疑者が事件について認めているんですから。もうこれ以上、扱わない方がいいんじゃないかなと、すいません、私は思いましたけどね」と苦言を呈する場面があった。 そんな背景もあって、『モーニングショー』での常見教授と玉川氏のやり取りには、《具体的な事件の報道をどう思うかはアナウンサーに聞くべき話ではない。玉川さんが止めたのは正しいと思う》といった声もあるなか一方で、《多くの国民が思っていたことを言ってくれた》《国民の大半が感じている事だが?》といった、賛同する声も多く寄せられている。 4月20日放送の『モーニングショー』でも上記の事件に対する報道姿勢の話題は取り上げられていて、そこでは玉川氏は「こういうふうなことを取材してお伝えすることが必要と(事件を受けて)あらためて思っている」「事件報道は何のためにあるのか、僕も30年以上前から、この仕事をするようになってから考えてきたことですが、事件報道自体に社会的な意味はあるというのが僕の結論」とし、さらに「社会のあり方が事件には現われる」と語り、報道によって捜査がしっかりと行なわれているかチェックされていくことも重要だと述べていた。 京都府南丹市の男児遺体遺棄事件に対する、玉川氏の“報道に社会的な意味がある”というスタンスと、世間の“これ以上は報道しなくていいんじゃないか”という意見。元テレビ朝日プロデューサーで報道番組に携わっていた鎮目博道氏はこう話す。 「まず、報道すること自体には、社会的意義があると思います。1人の少年がいなくなって、一生懸命探したけど遺体で見つかって、しかも父親が遺棄していて、殺害も自供した。ここまでは非常に大きな事件ですし、なぜ事件がおきたのかとか、再発防止についてみんなで考えなきゃいけない。それを話し合う材料として、考えるベースとなる事実は報道されないといけないですよね」(鎮目氏、以下同) 鎮目氏はそのように玉川氏の主張に理解を示す一方で、「僕は常見教授の意見に非常に賛成している」と言い、こう続ける。 「ほとんどの視聴者は、最近のテレビ局がやっている報道に不快感を覚えていると思います。それは、報道の内容が“なぜ事件が起きたのか”を考えるのに全く参考にならなくて、しかも今後の再発防止を考える上でもどうでもいいような細かい話ばかりだからです」