2024年3月、北九州市八幡西区の「コムシティ」内にある北九州市立第2夜間・休日急患センターで、高熱などの症状を訴えていた20歳の女性患者に診療に必要な行為と信じさせて両乳首をつまむわいせつ行為をした56歳の医師の男。 裁判の争点は「56歳の医師の男がわいせつな行為をしたか否か」で「女性患者の証言の信用性」が裁判所の判断を左右する構図となった。 福岡地裁小倉支部は被害女性の証言について「十分に信用することができる」 と認定したうえで「診察の際、被害女性の着衣をまくり上げて両胸をあらわにしたうえ、両乳首を指で1回ずつつまむ行為に及んだものと認められる」と結論付けた。 そのうえで「発熱等の症状に苦しむ眼前の患者に対してわいせつ行為に及ぶなど言語道断」など厳しく指摘し、医師の男に実刑判決を言い渡した。 ※この判決は前・後編で掲載 前編から読む)39.2度の高熱の20歳女性患者を標的 北九州市立の急患センターで56歳医師が胸をつまむわいせつ行為 「女性患者の証言の信用性」が判決を左右する構図に【判決詳報】 ■争いのない事実”被害女性は診察室に2回出入り””医師の男が胸部を聴診” 4月23日の判決で福岡地裁小倉支部(松浦佑樹裁判官)は証拠によって認められる特に争いのない事実を整理した。 被害女性(当時20)が医師・谷本博徳被告(56)の診察を受けたこと 被害女性は、2024年3月2日、日中から発熱や扁桃腺の腫れ等の症状を自覚し、勤務先を早退して帰宅したが、夜になっても熱が下がらず、当時の上司に迎えに来てもらい、北九州市八幡西区黒崎にある複合施設「コムシティ」内にある北九州市立第2夜間・休日急患センターへ向かった。 被害女性は同日午後8時53分頃、当時の上司に付き添われてコムシティに入館し、本件急患センターの窓口で受付手続を行い、問診票への記入や看護師との問答を行った。 この頃の被害女性(当時20)の体温は39.2℃前後であった。 被害女性はその後、診察室内で谷本被告の診察を受けた。 その際、被害女性は診察室に2回出入りしており、インフルエンザ及び新型コロナウイルス感染症の検査のための検体採取は1回目の入室時に、検査結果の告知は2回目の入室時にそれぞれ行われた。 谷本被告は、いずれかの機会に、聴診器を用いて被害女性の胸部の聴診を行った。 診察当時、看護師が診察室内で業務に従事していた。 本件診察を受け終えた被害女性(当時20)は、窓口で会計を済ませて処方された薬(トラネキサム酸錠)を受け取り、同日午後9時52分頃、当時の上司とともに駐車場へと続く出入口を通ってコムシティから退館した。