福島県郡山市の磐越自動車道で、部活動の遠征中だった高校生ら21人が死傷したバスの事故は、13日で発生から1週間です。学校とバス会社の主張が食い違う中、捜査が続いています。県内の高速道路でもバスの事故が起きています。こちらは今年3月、九州道の上りで発生した事故の映像です。栗野インターチェンジの約2km先で中学生17人が乗ったバスが中央分離帯に衝突、中学生9人がけがをしました。去年9月には大型バスが中央分離帯に衝突し、通行止めの影響が出ました。部活動の遠征中に起きた今回の事故、県内の高校ではどのように受け止められているのでしょうか。 【鳳凰高校 中野新二 校長】 「気を引き締めなければならない思いもありますし、高校生の尊い命が奪われたというのは」「同じ気持ちで胸痛む部分が多分にある」 南さつま市の鳳凰高校は県内の高校でも特に多い約30台のスクールバスを保有し、生徒の半数以上が通学に利用しています。普段のバス運行には職員として雇用された専門のドライバー「スクールバス技術員」が担っています。 【鳳凰高校 中野新二 校長】 「部活動で各大会や遠征で移動手段が必要となりますけど、スクールバスが本校にはありますので、そちらを利用して、顧問が運転して送迎したり、状況によってはスクールバス技術員に依頼して送迎をしたりして対応をしている。」 県教育委員会は、部活動遠征の交通手段について、公共交通機関の利用を呼びかけていますが、高校によっては地域の特性上、難しい場合もあります。 【鳳凰高校 中野新二 校長】 「どうしても鹿児島でいえば薩摩半島の端にあるので。公共交通機関が十分でない土地柄のため、スクールバスを利用して、教員が運転したり、技術員の協力が欠かせない」 こうした背景を踏まえて、鳳凰高校では部活の顧問などが安全な送迎をできるよう、スクールバス技術員による教員向けの運転講習を年に数回実施しています。また、スクールバスの走行距離に基準を設けて定期的に整備工場へ送るなど車両自体の管理も徹底しているそうです。 【鳳凰高校 中野新二 校長】 「生徒の安全、これが一番だと、日頃から我々も学校として意識している。自己流の運転は一番危険、生徒を乗せて移動しているという意識をしっかり持って、日々運転してほしい」 このほか、今回の事故を踏まえて送迎に関する対策マニュアル作成を検討するなど生徒の安全を守るための取り組みが進められています。 一方、学校やホテルなどから貸切バスの発注を受ける県内の会社は今回の事故を受けて安全対策を強化しています。 【北記者リポート】 「県内にも多くのバス事業者がある中、事故を受けてチェック体制を強化したという会社もあります」 鹿児島市に本社を置くハロー観光バス。学校やホテルなどからの発注が多く、遠足に行く児童や県外からの観光客、葬儀の参列者など、年間6000人近くの命を預かって目的地まで運んでいます。 【ハロー観光バス・新留広志社長】 「事故がある度にだんだん厳しくなってまともにしている会社は大変」 ハロー観光はバス事業を始めて以来、客を乗せた状態での事故は一度もありませんが今回の磐越道の事故を受けて安全対策を強化しました。 【ハロー観光バス・新留広志 社長】 「実際に手をこうさせたり、足踏みをさせたりというチェックを追加した」 これまでも国土交通省に義務付けられている「点呼」で、運転手が酒気を帯びていないかや睡眠・疲労の状況を確認していましたが、今回の事故を受けて手足を自由に動かせるかについても確認するようになったということです。このほかにも、車両の点検や通ったことのない道は下見をするなど、会社としてできる安全への配慮は欠かしていません。 ただ、福島で事故を起こし逮捕された男は68歳。業界に共通する課題「運転手不足や高齢化」の解決には、若いドライバーの確保などに向けた行政の支援を望んでいます。 【ハロー観光バス新留広志社長】 「亡くなった方の家族を思うと、大変だったろうなという気持ちでいっぱい。その気持ちを常に運転する時は心に命じて。仕事をしないといけないということですよね」