豪華な新庁舎建設で6000万円「ごっつあん」容疑で逮捕 市職員がビビった“元力士”市議の「ドスコイ案件」

熊本県八代市の新庁舎の建設工事をめぐって賄賂を受け取った疑いで、警視庁と熊本県警の合同捜査本部は5月7日、八代市の自民党市議・成松由紀夫容疑者(54)ら3人をあっせん収賄容疑で逮捕した。成松容疑者は元力士で、巨体と威圧的な言動、元議長という威光によって、市職員から恐れられていた。 * * * 成松容疑者らは2016年から19年にかけて、八代市の新庁舎の建設工事で、準大手ゼネコンの前田建設工業(本社・東京)を中心とする共同企業体が有利な入札条件になるよう、また前田建設工業側の利益が増えるよう市に働きかけ、その見返りとして21年6月、前田建設工業側から現金6000万円を受け取った疑いがある。 成松容疑者は、日本大学相撲部出身で、卒業後に角界入りし、1994年に初土俵。序の口優勝を果たすなど幕下まで順調に番付を上げたが、ケガもあって十両には上がれず、98年に引退。故郷の八代市の中学校で相撲を指導する一方で、市議になった。現在、6期目で議長も経験している。 市職員のAさんが振り返る。 「成松容疑者は体がでかくて、威圧感がある。相撲のように、市の案件でも自分の思うように進めるようにと、すごい勢いで押しまくってくる。成松容疑者が関係するものは『ドスコイ案件』という隠語で呼ばれていた。私も関係していた案件で、成松容疑者のお気に召さなかったことがあったとき、呼び出されて『おい、どうしてなんだ』と凄まれた。自民党の有力議員であり、議長経験者で、元力士。そりゃ怖いですよ。震えました。地元では『ドン』『親分』と呼ぶ人もいて、『ドスコイ案件』ではできるだけ機嫌を損ねないようにするのが、暗黙の了解だった」 記者も10年ほど前に成松容疑者と会ったことがある。九州で相撲関連の行事があり、そこで元力士の有力市議として、成松容疑者を紹介された。元力士だけあって、圧倒するような体格だったが、言葉は丁寧で、 「体力はあるから、その分、他の人より働けますよ」 などと言っていた。そのとき、大学相撲出身の元力士が成松容疑者を見つけて挨拶に来ると、何人もの関係者が成松容疑者の周りに集まってきた。その時一緒にいた、八代市の関係者が、 「市議というか、うちのボスのような人です」 と苦笑していたことをいまも覚えている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする