今や戦争まで賭け事の対象にするアメリカ「予測市場」の闇。数々の機密情報が漏れ、インサイダー取引が横行。一方で、トランプ政権の"ドル箱"との疑いも……

ある出来事が起こるかどうかに「イエス」か「ノー」かで答え、予想が当たったら仮想通貨で配当金を受け取ることができる「予測市場」。遊び半分で始まったものが、徐々に賭けの対象をエスカレートさせている。現実の出来事にまで影響を与えかねない危険な実態に迫った。 * * * 【インサイダー取引をした軍人が逮捕!】 「予測市場」という言葉を聞いたことがあるだろうか? これは、ごく日常的な出来事から政治や戦争まで、ありとあらゆるイベントが起こるか起こらないかの「予想」を賭け(投資)の対象とするインターネット上のプラットフォームのことだ。 わかりやすく言えば「オンラインギャンブル」と同じような仕組みで、取引にはUSDCという仮想通貨が使われるのだが、アメリカの金融当局からは「金融先物商品」として認可されている。 その予測市場の代表格といわれるアメリカの「Polymarket」は今年度第1四半期(1月~3月)の取引額だけで実に262億ドル(約4兆1134億円!)と、過去3年間の取引総額(235億ドル)を超えており、驚異的な急成長を遂げている。 〝事実上の賭博サイト〟とも呼べるものが、政府から金融商品として認可され、わずか3ヵ月で中堅国の年間の国家予算に匹敵するほどの市場規模に拡大しているというだけでも驚きだが、問題はそれだけではない。 戦争や外交など、政府が関与する重要な問題がこうした市場で賭けの対象として扱われ、しかも関係者だけが知りうる情報を利用して巨額の利益を上げる、悪質な「インサイダー取引」が表面化しているのだ。 「今年4月には、アメリカのベネズエラ関連作戦でマドゥーロ大統領拘束に参加した米特殊部隊の兵士が、作戦実行の直前にポリマーケットのアカウントで『マドゥーロが1月末までに失脚する』という賭けを13件ほど行ない、40万ドル超の利益を得ていたとして起訴されました」 こう語るのは、アメリカ現代政治が専門の国際政治学者で上智大学教授の前嶋和弘氏だ。 「アメリカによるイランへの軍事作戦に関しても、トランプがSNS上でイランとの停戦を発表する直前に、50以上の新規アカウントがポリマーケット上で停戦に巨額の賭けを行ない、莫大な利益を上げていたことも明らかになっています」

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