岡田将生“真”、カウンセラーに「何か作る仕事がしたかった。父ちゃんみたいに…」と本音をさらして嗚咽<田鎖ブラザーズ>

金曜ドラマ「田鎖ブラザーズ」(毎週金曜夜10:00-10:54、TBS系)の第6話が5月22日に放送され、真(岡田将生)が、始めは疑っていた市役所のカウンセラー・秦野小夜子(渡辺真起子)に傾倒していく様子が描かれた。(以下、内容のネタバレを含みます) ■時効になった両親殺害事件の真犯人を追うクライムサスペンス 本作は、時効が成立してしまった31年前の両親殺害事件の犯人を探すために警察官になった兄弟が、日々起こる凶悪事件事件と立ち向かいながら両親の事件の真相を追っていく、完全オリジナルのクライムサスペンスである。 ■事故ではなく殺人? 西浦綾香という女性が、運転を誤り電柱にぶつかって死亡する事故が発生。だが、死因は衝突によるものではなく、一酸化炭素中毒と判明。不自然な車体の細工も見つかり、殺人だった可能性が浮上。捜査を進めると、西浦は、3年前に女性をはねて死亡させてしまったが、原因が女性の飛び出しだった為、不起訴処分になっていたことが発覚した。 その処分に納得できず、警察や検察に何度も抗議を繰り返していた女性の夫・宇野孝道(山本浩司)は自動車整備士で、西浦が死んだ当日に彼女の車の下に潜り込んでいた男にも酷似。妻の復讐で西浦を殺した線が濃厚となった。 ■カウンセラー・秦野小夜子 宇野を調べると、彼は妻の事故後から市役所の福祉健康課の相談室に通っていることが判明。担当カウンセラーの秦野小夜子のもとを訪れた真が「田鎖」と名乗ると、秦野は「田鎖さん?」と反応。珍しい苗字だから、と秦野は言ったが、どこか不自然だった。 秦野は守秘義務から宇野の相談内容については何も答えなかった。「あなたには解決できたんですか?」と尋ねた真に、彼女は「話して何が変わる…そう思ってます?」と尋ね返した。そして彼女は「1人で抱えこむのは、苦しくないですか?」とさらに尋ね、「どうせ誰もわかってくれない。だから、誰のことも信じない。そうすると、いつしか自分の心の根っこを隠すようになる。身内にさえも」と続けた。真は自分に言われているような気持ちになるのだった。 真は部屋を出て帰ろうとした時、廊下で、先日の大学理事長死亡事件で容疑をかけられたが証拠不十分で逮捕できなかった成田温子を見かけた。温子が履のが残らないメッセージアプリで「秦」のアイコンの人物とやり取りしていたことを思い出した真は、情報屋の晴子(井川遥)に、秦野を調べてほしいと依頼した。 ■「あなたの心の根っこ、聞かせてください」 そんなある日、真が西浦の自宅近辺の防犯カメラの映像を調べていると、通りがかった秦野に声をかけられた。彼女は真に、以前蓬田町に住んでいなかったかと尋ね、「田鎖」という名前に聞き覚えがあり、ネットで検索したのだと告げた。刑事になったのは、正義感からなのか他に理由があるのか、と話しかける秦野に、真は「オレのことは、いいですよ…」と言って会話を切り上げようとした。 すると秦野は、宇野と西浦の関係に話題を変えた。「西浦は恋人の支えで社会に復帰し、また車に乗った…宇野の妻だけを消して全て元通り」と語る秦野の一言一言を、真はまた自分に置き換えながら聞いていた。そして「忘れられていく遺族の痛み、わかりますよね?」との彼女の言葉に、何も答えることができなくなってしまった。 秦野は、そんな真に「もう、1人で抱えこむの、やめませんか?」と言い、「あなたの“心の根っこ”、聞かせてください。6時に待ってます」と告げて去っていった。 ■真のつらさに寄り添う秦野 結局、真は迷いながらも6時に市役所へ行った。だがその時、稔(染谷将太)から着信があり、思い直して帰ろうとしたが、秦野に見つかってしまった。「オレは別に…」と言い訳を始めた真に、「建前は要りません。正論は何の解決にもならない。でしょ?」と秦野は言い、彼は相談室へ入っていった…。 秦野は、田鎖夫妻の殺害は7歳の真にはあまりにも背負うものが大きかったと言い、「よくここまで歩いてきましたね」と、彼のつらさに寄り添う言葉をかけた。 秦野の「ここでは何も隠さなくていい」との言葉に、彼は事件からこれまでのことを語り始めた。事件後、稔と共に親戚の家に引き取られた彼は、「犯人は、すぐ捕まる」との言葉を信じて日々暮らしていた。だが、警察は「今、捜査中」と言うばかりで次第に訪れる頻度も減り、明るかった弟はふさぎこむようになってしまったのだ、と…。 ■「何か作る仕事がしたかった。父ちゃんみたいに…」 真の告白を相づちを打ちながら聞いていた秦野は、「そして、世間は日常に戻る。皆が、事件を忘れていく」と言った。その静かに心の奥に深く染みこむような語り口に引きこまれ始めた真は、「皆が、事件を忘れていく…」と、彼女の言葉を繰り返した。「そう。皆が」と言う秦野に続くように、「皆が…」と再び繰り返した真は、「父ちゃんと母ちゃんを…忘れていく…」と呟いた。真が人前で「父ちゃん」「母ちゃん」と言ったのはこれが初めてだ。彼の心の鎧がどんどん外れていく。 「まるで、何も無かったかのように」と、彼の言葉の隙間を埋める秦野に、真は「それが、怖かった」と本音をさらけ出した。そして、「もし、犯人が来るのがあと2日遅かったら…。もし、時効の廃止があと2日早かったら…。犯人を逮捕できたのに」と悔しさをにじませた。 あふれ出す思いを止められなくなった彼は、たった2日で何が違う?同じように人が殺されてるのに」と涙を流した。そんな彼に秦野は、事件が無ければ、犯人が捕まっていれば今頃何をしていたかと尋ねた。 すると彼は「本当は……」と言った後、しばらく黙り」、「何か作る仕事がしたかった。父ちゃんみたいに」と嗚咽しながら告げたのだった。心がむき出しになった真に、彼女は、いつまでも過去に閉じ込められているこの状況をどうしたら解決できると思うかと問いかける。 ■「とんとん」 そして真の手を取り、「ここで正論は要らない。犯人が捕まって何が変わるの?」と彼を見つめた。捜査、裁判を経て犯人の罪は終わりが来るが、遺族の痛みは何も変わらない、と説き、「大切な人を奪われた遺族だけが、何で苦しみ続けなければならないんでしょうね?」と、彼に寄り添う言葉をかけた。それは、真の心に深く刺さった。秦野を見る真は、彼女にすがるような目になっていた。 洗脳状態になってしまった真に、秦野は「被害者が受けた痛み、加害者が受ける痛み…おあいこ。“とんとん”です」と告げ、犯人が捕まっていないのに遺族が捕まってはいけないのだ、と、何度も「とんとん」という言葉に合わせて彼の手を優しくポンポンとするのだった。 秦野は、この「とんとん」という言葉を宇野にも告げていた。また、成田温子も秦野のもとに通っており、2人とも秦野に「これで良かったんでしょうか?」と尋ねていた。これは“殺人教唆”と見て間違いないだろう。最初は秦野を怪しい人物だと疑っていた真だったが、巧みな話術の彼女に、もう今はすっかり取り込まれてしまった…。 真はこれまで、稔を守る為にも「強くて頼れる兄」でいなければならなかった。そのストレスはいかほどだったのだろう。彼のつらさに本気で寄り添う人間も居なかった。ずっと“1人ぼっち”だったのだ。そんな中で現れた“本当のオレ”をわかってくれる人物…母親の優しさも感じたのかもしれない。真が秦野に傾倒してしまうのは、無理もなかった。逆に言えば、秦野にとって真は、“簡単なターゲット”だったのだろう。 その頃、宇野は退職届を出し、死亡した…。 Xでは、視聴者から、真が市役所に向かった時から「行ってはダメ!」と引き止めるコメントが連投され、「洗脳された“フリ”であって…」と、簡単に秦野に取り込まことを信じたくないコメントがあふれていた。 次回、宇野の死を知った真は、どう動くのだろうか。また、両親殺害の犯人とどう向き合っていくのだろうか。 ◆文=鳥居美保

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