ニューアーク、ニュージャージー州、5月30日 (AP) ― 米ニュージャージー州ニューアークにある移民収容施設「ディレイニー・ホール」前で、収容者の劣悪な処遇に抗議するデモ隊と、武装した連邦移民当局の治安部隊が激しく衝突した。人権団体や収容者の家族らは、施設内で不衛生な生活環境の改善を求める収容者によるハンガーストライキが数日間にわたって行われており、事態が悪化していると主張している。 家族や支援者によると、施設内に拘束されている移民らは、当局から催涙スプレーの噴射や物理的な暴力を受けているという。同州のマイキー・シェリル知事(民主党)は30日までに、州の保健当局者が現場検査のために施設を訪れた際、「立ち入りを制限された」と明かし、秩序維持のために州警察を派遣したと発表した。 これに対し、施設を運営する民間企業のGEOグループは、28日に施設内で収容者による「物理的な小競り合い」が発生したため、スタッフが「催涙スプレーなど限定的な化学剤の使用を含む抑制措置」を取ったことを認めた。一方で、施設内の環境悪化については否定し、連邦移民法執行に反対する団体による「政治的意図を持った組織的なキャンペーンだ」と反論。米国土安全保障省(DHS)も、施設内でのハンガーストライキや虐待の事実はないとしている。 現場では27日夜、デモ隊と米移民税関捜査局(ICE)の係官との間で激しい衝突が発生。ガスマスクなどを着用したデモ隊が人間の鎖を作って建物の出入り口を封鎖したほか、ゴミ箱や古マットレス、傘などを盾にして抵抗し、カラーコーンを投げつけるなどした。これに対し、ヘルメットやタクティカルベストを着用したICE係官らは、催涙スプレーや警棒を使って強制排除に乗り出し、DHSによるとデモ隊側の6人が公務執行妨害などの容疑で逮捕された。 これに先立ち、現場を視察した民主党の連邦下院議員らは、施設内で小量かつしばしば傷んだ食事が提供されていることや、必要な医療が適切に提供されていない実態を挙げて、「極めて悲惨な状況だ」と非難している。 (日本語翻訳・編集 アフロ)