「駅まで緊走でいい?」偽パトで信号無視43回か 青切符交付へ

年末の深夜、東京都心を1台のトヨタ・マークXが駆け抜けた。「緊急車両、通ります」。屋根に赤いランプを載せ、サイレンを鳴らす。 車内では、こんな会話が交わされた。 「じゃ、行きますかー?」「行っちゃいましょっか。やるしかないよねー」 車は都心から埼玉に抜け、40分間、緊急走行を続けた。不正改造された偽の覆面パトカーだったという。 ◇不正改造車で34キロ、緊急走行か 警視庁交通捜査課は4日、2025年12月に不正改造された偽の覆面パトカーが東京都心から埼玉県まで30キロ以上にわたって緊急走行し、43回の信号無視をしていた疑いがあると明らかにした。整備不良に加えて禁止場所での進路変更も1回あったといい、近く、運転していた埼玉県戸田市の会社員男性(22)に45件分の青切符を交付する方針。違反点数は88点で反則金は40万円程度の見込みという。 警視庁によると、男性は12月18日午前0時25分~1時5分ごろ、東京都千代田区からさいたま市見沼区までの34キロで、不正改造で覆面パトカーに似せたトヨタ「マークX」で赤色灯をつけてサイレンを鳴らし、信号無視を繰り返しながら緊急走行した疑いがある。 ◇「早く帰りたくて」 車は友人の無職男性(23)の所有で、この夜は助手席にいた。ドライブレコーダーには、運転する男性の「大宮駅まで緊走でいい?」という言葉や、マイクで「緊急車両、右に曲がります」と呼び掛ける音声が記録されていたという。 車はこの3日後、所有者の男性が緊急走行で運転中に事故を起こし、不正改造の疑いが発覚。所有者は酒を飲んだ状態だったといい、自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)と道交法違反(整備不良)容疑で逮捕された。 2人はドライブ仲間で、頼まれて改造したとして会社員男性も道路運送車両法違反(不正改造)容疑で逮捕されている。不正改造や信号無視を認めており、「ドライブの後に早く帰りたくて緊急走行した」と供述しているという。【洪玟香】

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