■繰り返す ”レッカーされた詐欺” 駐車場で車を停め、ふと息をついた瞬間、見知らぬ女が突然車に乗り込んでくる。想像しただけでも背筋が凍るような事態が、山形県内で現実に、しかも長期間にわたって繰り返されていました。 他人の善意と、密室という空間がもたらす恐怖心に巧妙につけ込む「乗り込み詐欺」。警察による一連の逮捕劇から浮かび上がってきたのは、一人の女による性懲りもない一連の犯行と、やめるつもりがないかのような悪質さでした。 ■コインパーキングでの恐怖の出来事 きのう警察に、とある女が逮捕されました。その対象となった事件、今年4月下旬に山形市内のコインパーキングで起きた事件から見ていきましょう。 車内で過ごしていた30代の女性のもとに、見知らぬ47歳の女が突然声をかけ、そのまま車に乗り込んできました。 女は「車が故障してレッカーされてしまった」「10円でも50円でもいいから貸してほしい」と頼み、車からなかなか降りず、結果として現金1100円とテレホンカード1枚をだまし取ったとして逮捕されました。 さらに女は、被害者に車を移動させるよう促し、別の場所まで送ってもらい、立ち去ったといいます。 ■密室に閉じ込められる恐ろしさ この手口の最も恐ろしい点は、被害者が「密室に閉じ込められる」という心理的圧迫を受けることではないでしょうか。 見知らぬ人間が自分の車に居座り、要求をのむまで降りようとしない状況は、被害者に強烈な恐怖と混乱を与えます。 パニック状態の中で「少しのお金を渡せば、この恐怖から逃れられるのではないか」という心理に追い込まれてしまうことは容易に想像できます。だから、怖いしズルいのです。 ■女は常習者とみられる 今回の犯行をきっかけに、この女の異常なまでの常習性が明らかになってきました。実はこの女、今年の4月と5月に2度、同様の手口で逮捕されていたのです。 4月下旬。天童市内で70代の女性に対し「車のタイヤがパンクしてレッカーで運ばれた。ホテル代などを貸してほしい」と嘘をつき、現金1万円をだまし取ったというものでした。