有村架純、黒木華、南沙良が“金密輸”に手を染める“訳ありの女性”たちに扮する「マジカル・シークレット・ツアー」の上映付き公開直前トークショーが、6月10日に東京・秋葉原のUDXシアターで行われ、主演の有村と天野千尋監督が登壇。映画の見どころをアピールした。 本作は、主婦たちが“金の密輸”で逮捕されたという実際の事件に着想を得たオリジナル作品。夫の横領と解雇を知り、突然借金を背負った二児の母・和歌子(有村)、奨学金の返済に追われる借金600万円の研究員・清恵(黒木)、貯金ゼロの未婚の妊婦・麻由(南)。犯罪とは無縁そうに見える3人が偶然出会い、“金の密輸”の闇バイトを通して、絆を深めていく姿を描く。共演に塩野瑛久、青木柚、斎藤工ら。監督は「ミセス・ノイズィ」「佐藤さんと佐藤さん」の天野千尋。 やむにやまれぬ事情から金の密輸に手を染める主婦・和歌子を演じた有村は、「天野さんが撮ってくださった『マジカル・シークレット・ツアー』が、とてもポジティブな感想も多いことがとても嬉しいです。私も作品を観た時に皆さんと同じような感想を持つことが出来ましたので、自信を持って世の中に送り届けられたらと思います」と、作品の内容に自信を持っていることを語った。 一方、構想5年をかけ、オリジナル企画の映画を完成させた天野監督は、「5年以上前に私の頭の中で考え始めたこの企画が沢山の方々に力を与えていただき、こうして完成したことは奇跡だと実感しています。原作のないオリジナルストーリーなので、面白さがちゃんと伝わるのか不安な日々を過ごしてきましたが、皆さんからのポジティブな感想を頂くことが出来てホッとしているのが正直な気持ちです」と笑顔を見せた。 有村は本作の出演オファーを快諾した理由を問われ、「社会に斬り込みながらもただシリアスではなくて、登場人物みんなが何処かシュールで滑稽で。真面目にやればやるほどクスッと笑えるエンターテインメント作品だと感じました。女性3人が主軸になって進んでいく女性の友情物語のようなところもあって、すべてにおいて新鮮な風が吹いたような気がしました」と作品の魅力に惹かれたことを明かした。 天野監督は、有村の印象について「芯の部分に揺るがない何かを持っている方。役作りに対する姿勢も凄くて、役ごとに1冊分のキャラクターノートを作って役について納得するまで書いている」と有村の役者魂がわかるプチ情報を披露。また全体のスケジュールを考慮しながら撮影に臨んでいる有村の姿勢を評価しつつ、「撮影が押した時にスーッと近づいてくる。そういう時は全然オーラがない。画面に映っている時は凄い存在感なのに、スーッと来る時は『わあ、有村さんいた!』みたいになる」と意外な姿を紹介した。これに有村は照れながら、「(オーラを消して近づくの)得意です!」と笑わせた。 ここからは来場者から募った人生のお悩み相談コーナーに。「人生に焦りを感じています。30歳を前に、これまで何をやってきたんだろうと思い悩んでいます」という女性からの問いを受け有村は、「27、28になると確かに私も悩んだような気がします。30手前はどこか構えてしまう自分もいたし、ちゃんと歩めているのかなと思ったりして」と共感を寄せた。 一方、天野監督は、「正しい選択ばかり出来る人なんていないと思います。何が正しいのかなんて、その時はわからない。30年後くらいにわかるものだと思うので、正しい選択をしなきゃというプレッシャー自体、本当は感じなくていいものなのではないかなと思う」とアドバイス。 これを受けた有村も、「悩む時はどうしても視野が狭くなってしまうので、まずは視野を広く持つようにして、ポジティブなことを考えています。こんな人に会えた、嬉しい言葉をもらえた、好きなものを食べられた……」と身振り手振りを交えながら懸命に話していたところ、“ゴンッ”と歯にマイクをぶつけてしまうハプニングも。「こんな失敗もありますし(笑)。それでも今までの自分の良かったところを振り返って考えてみると、ポジティブな感情になっていける。焦りとか不安があるという事は、自分自身としっかり向き合えているという証。そんな自分に誇りを思ってほしいです」と真摯に語った。 続いて「人の目を気にして自分を出しづらい。皆さんはどのように殻を破って自己表現をしていますか?」との問いかけに有村は、「私は全員に自分を表現しなくても良いのではないかと思っているけれど、自分の周りにいてくれる人たちに対しては、素直に自分の感じている事を言葉にして伝えるようにしています」と語り掛け、「人は多面的だから色々な自分がいていいと思います。『この人にはこういう顔、この人にはこういう顔』というのは当たり前のこと。一貫して自分が、こういなきゃいけないという決まりは全くない。どんな環境でどんな人たちと関わっていたら自分が気持ち良く過ごせるのかを考えてみてもいいのではないかと思います」と親身に語り掛けた。 有村に続いた天野監督は、「私も自己表現は苦手だし、自分のことを喋るのも苦手。だから映画という手段を使って表現している部分があります。質問をくださった方も、自分にあった手段が見つかると良いですよね。それはもしかしたら言葉じゃないかもしれないけれど、自分にあった自己表現の手段はあるはずです」と相談者の背中を押した。 最後は天野監督が「何度観ても有村さんをはじめとするキャストの皆さんのキャラクターが、すごく面白くて魅力的だなと感じます。密輸を経てどんどん生き生きと輝いていく和歌子たちの姿を観てもらいたいです」とアピール。 有村は「この物語は人生を取り戻すために、みんなが奮闘していくお話です。自分の現在地を確かめて自分自身を変えたいと思う感情は私にもありますし、皆さんの中にもあると思います。この作品を通して、どんなタイミングでも自分の人生を今一度輝かせることは出来る、そのチャンスはあると感じました。ただこの映画の中に出てくること違法なので(笑)、そうではない所で皆さんの手助けになれるような作品になったらいいなと思います。楽しい旅をお過ごしください」と作品の魅力をアピールし、イベントを締めくくった。 「マジカル・シークレット・ツアー」は、6月19日から公開。