元プロボクサーでタレントのガッツ石松さんが6月2日に亡くなった。1966年にプロデビュー、1974年にはアジア人として初めてWBCライト級世界チャンピオンとなり、その後、5度の防衛に成功。「幻の右」と呼ばれた強烈な右ストレートを軸にした正統派のボクシングでファンのハートを何度も熱くさせた。 1978年に引退後はタレント・俳優として活躍。「OK(オッケー)牧場!」の決め台詞などに代表される独特のキャラクターと親しみやすい人柄で人気者になった。 ガッツさんには「ガッツポーズの元祖」とされる(異説あり)など、数々の逸話がある。その一つに、東洋ライト級王者だった1972年、路上で十数名を相手にケンカとなり8人をKOしたものの、現行犯逮捕から2日で釈放されたというものがある(相手方の人数、KOされた者の人数は報道により多少の差異がある)。 ガッツさんは取り調べに対し、「チャンピオンはいついかなる時でも誰の挑戦でも受けなければならないと賞状に書いてある」と供述したと伝えられる。 当時の報道によれば、釈放の理由は「正当防衛」が認められたからだとされる。プロボクサーでありながら、複数人をKOするという重大な結果を招きながら「お咎めなし」となったこの規格外のエピソードの裏には、法的にみてどのような事情があったと考えられるのか。 元プロボクサーで、生前のガッツさんに接したことがあり「思慮深く優しさにあふれ、風格を感じた」と述懐する坪井僚哉(りょうすけ)弁護士(法律事務所アルシエン)に分析してもらった。