功臣3人を一掃…4期目狙う習近平氏の「殺伐とした1カ月」(1)

習近平中国国家主席(73)が、長期政権に向けた「体制3.0」の構築を本格化させている。第1~2期政権(2012~2022年)が、江沢民派と共産主義青年団勢力を一掃して権力を掌握した「体制1.0」だったとすれば、第20回党大会(2022年)以降は、権限を委ねていた功臣グループ、すなわち王岐山(規律)、陳希(人事)、張又侠(軍)ら「諸侯の権力」を整理する「体制2.0」と位置付けることができる。自身の4期目続投と次期指導部を決定する来年後半の第21回党大会で、習主席は規律・人事・軍権を一人の側近に委ねるのではなく、複数の側近が相互に監視・牽制する「体制3.0」の構築に着手したとの見方が出ている。 韓国・国家安保戦略研究院のパク・ビョングァン首席研究委員は「習近平3.0体制の核心は、一人体制がどこまで制度的に強固になるか、そして『自己革命』と呼ばれる粛清がエリート官僚管理システムとして定着するかどうかだ」と指摘した。2.0までは功臣に領地を分け与える封建制度だったとすれば、3.0は官僚を派遣して互いを監視させる体制だという説明だ。スタンフォード大学上級研究員の呉国光氏は習主席を「兄弟がいなくなった一家の家長」に例え、「以前は習氏が長兄で兄弟たちが要職を占めていたが、今は家長と、それぞれ家庭を築いた息子たちという構図になっている」と語った。 これを裏付ける動きが、この1カ月間に集中して表れた。規律(王岐山)、人事(陳希)、軍権(張又侠)の三つの軸で何が起きたのかを順に追った。 ◇規律:王岐山の「規律委帝国」が崩壊 党中央規律検査委員会(規律委)は19日、欧陽衛民・元中国国家開発銀行総裁(63)を逮捕した。すでに失脚している董宏・中央巡視組副組長(73)、周亮・元国家金融監督管理総局副局長(55)との関与が理由だと、香港紙・明報が報じた。董宏氏と周亮氏はいずれも王岐山氏(78)の最側近秘書だった。 これに先立つ15日には、蔡赴朝・元中央宣伝部副部長兼国家新聞出版広電総局党組書記(75)も逮捕された。8年前に引退した人物が今になって逮捕された格好だが、その経歴にも王岐山氏との接点がある。蔡氏が北京市党委宣伝部長を務めていた当時、北京市長は王岐山氏だった。その直属部下だった宣伝部副部長は、現在の中央規律検査委員会副書記である肖培氏(65)だった。 王岐山氏の秘書人脈が次々と一掃される構図となっている。肖培氏は先月24日、全国政治協商会議社会・法制委員会副主任へ異動となり、規律委の実務から外れた。王岐山氏の秘書出身として規律委で汚職摘発の権力を振るった董宏氏、周亮氏、黎暁宏氏(73)はすでに粛清されている。王岐山氏は10代の下放(都市の青年を農村・地方に送り出す政策)時代に、延安・康坪から北京へ向かう習主席と同じ寝台を使ったほど縁が深かった人物だ。習主席は政権初期、周永康氏や薄熙来氏の排除を王岐山氏に任せていた。 肖培氏の後任には趙世勇氏(59)が就いた。今月3日に李希・規律委書記(70)が主宰した常務委員会で確認された。趙世勇氏は李強首相の最側近である呉政隆・国務院秘書長の系統に属する人物だ。王岐山系の人々が退いた後を、陝西幇を代表する李希氏と、李強氏の浙江幇が分け合う構図へと変わった。

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