4月16日、午前5時45分。私たちは広末さんの身柄がある浜松西警察署の撮影を始めました。 11分後の午前5時56分。 何人かの出入りが見られたこの時。 広末さんは警察署内で「釈放」外へ出るための準備が始まりました。 (高山 基彦 キャスター) 「警察官が浜松西署正面出入り口から出てくると、あたりは緊張感に包まれます」 警察署の前に広末さんを迎えに来た黒い車が到着。 そして、午前6時20分。 (高山 基彦 キャスター) 「今、広末さんが出てきました。広末涼子さん釈放です。午前6時20分、今、警察署から出てきて、ゆっくりと頭を下げました。深くお辞儀をしました」 全身黒い服装。約3秒間頭を下げた後…、少し周りを見渡しほほえむような表情を見せ…、深く息をつきました。 前述の黒い車に乗り込むと…、車内では笑顔を見せたようにも見えました。逮捕から9日目。処分保留で釈放となりました。 先週、島田市の病院で女性看護師の足を蹴ったり腕をひっかいたりするなどけがをさせたとして傷害の疑いで逮捕された広末さん。この直前には…。 (ドライブレコーダーの音声) 「誰かいる。座っている人」 静岡・掛川市の新東名高速で追突事故を起こしていました。 その前後で確認されたのが広末さんの“不審な言動”。事故を起こす前に立ち寄った浜松市内のサービスエリアでは。 (広末さんの言動) 『広末でーす』 こう言って、見知らぬ人に声をかけ体を触ったり、大声を上げたり…。逮捕後の取り調べでも落ち着きがなく、言葉のキャッチボールができていなかった時もあったといいます。その後、警察が行った薬物検査の本鑑定の結果、大麻や覚せい剤など違法な薬物は検出されませんでした。 釈放を受けて、広末さんの地元・高知県民は…。 (高知県民) 「専門家などを頼って、少しでも楽になって」「正しい判断をできる環境になればいいかなと思いますね」 (高知県民) 「何か過ちを犯しても、その後の生き方、行動が大事かなと思います」 (高知県民) 「不安なことがあると思うけど、ゆっくり療養されて、心の健康と体の健康を早く取り戻してもらえたらいいなと思います」 釈放後、都内の病院に入ったとみられる広末さん。所属事務所はコメントを発表しました。 (広末さんの所属事務所のコメント) 「本人は過去を含め薬物に一切関与しておりません。精神的に不安定な状態がみられたこともあり今後は適切な医療機関にて診断を受けた上で医師の指導のもと、慎重に治療と健康回復に努めてまいります」 広末さんのこれまでの行動から見える精神状態とは…。さまざまな事件で関係者の精神鑑定をしている医師に話を聞くと…。 (銀座泰明クリニック院長 茅野 分 医師) 「精神学の言葉を使うと(不審な言動=)奇異な言動」「堂々と見知らぬ人に自己紹介して抱きついてしまう。通常では考えられない行動」「有名な俳優さんですから、どのような立ち振る舞いをするか、わかっているはずだと思う」 「奇異な言動」は、釈放の映像でも垣間見えるといいます。 (銀座泰明クリニック院長 茅野 分 医師) 「警察署から出てきたところまでは問題ない。車の中、あのような状況で笑顔を見せることは本来ならばあり得ない」「精神的に非常に不安定な状態にあるのではないかと推測」「いったん人の視界から離れて、休めるような状態に身を置かれることが大事」 一方、多くの芸能人を診察したことがある医師は…。 (高橋医院 高橋 猛 院長) 「事故を起こしてしまった動揺に動揺が重なって、病院・警察で話を聞かれ、どんどん(動揺が)大きくなっている」「大きな心の中の動揺が原因は定かではないしわからない。(動揺が)あったのではないか。多分あったんだと思う」 釈放されたときの広末さんの様子については…。 (高橋医院 高橋 猛 院長) 「だいぶ落ち着いた表情ですね。周りを少し見回したりとか、ゆっくり会釈ですね」「1週間近く警察にいらしたということで」「だいぶ、ご自身を取り戻したというか、落ち着いた部分も出てきたのではないかと思う」 車内で見せた表情については…。 (高橋医院 高橋 猛 院長) 「今、お迎えにあがられた方は、知っている方々ですよね。だからホッとされて自然の笑顔が出たと思う」「本来の普段の笑顔が見られているのかなと推測」「みんな人間ですから、特別なこれやったら絶対に元気になるとか補助的なお薬であっても(飲んで)元気になる、なんてことはありえない。その方その方に適した方法、それを見つけることになる」 一方、6月に広末さんが出演する予定だった大分県での音楽イベントの主催者、安武信吾さん。広末さんの事件によりイベントは中止になりましたが、釈放を受け、心境を語りました。 (広末さんが出演予定だったイベント主催者 安武 信吾さん) 「一報を聞いてほっとしたのが最初の受け止めで、やっと自分を取り戻すことができたのかなと。現実を受け止められないような様子を感じていたので、そんな気がしました」「冷静になっているのかなという気がしましたけど、戸惑いの表情でしたね」 安武さんは2016年に実写映画化され、広末さんが主演したノンフィクション「はなちゃんのみそ汁」の著者。 広末さんは亡くなった安武さんの妻を演じたといいます。 (広末さんが出演予定だったイベント主催者 安武 信吾さん) 「何気ない日常の尊さを演じてくれていたので(妻と)重なる部分がありました。理解が深いというか、本や(妻が書いた)ブログを読み込んでくれているんだなと感じました」「(娘が)映画を見てママを思い出して“ママに会いたい”と言いだした。それまで一度も言ったことなかったんですよ。やっぱりすごいですよね。俳優さんの仕事って」 安武さんは、中止となった音楽イベントについて、先月、広末さんと打ち合わせをしていました。 (広末さんが出演予定だったイベント主催者 安武 信吾さん) 「オンラインでしか打ち合わせをやっていないので、その時は普段の会ったときの広末さんと変わりはなかった。“おいしい魚食べようね”という話をしたり…大分でね」 安武さんがいま広末さんに対して思うことは…。 (広末さんが出演予定だったイベント主催者 安武 信吾さん) 「これからが本当に正念場の気がします。あまりにも世間を騒がせすぎたのと、被害者がいるので、そこは真しに向き合って対応して信頼できる人がそばにいてくれたらいいですね」 関係者によりますと、広末さんと被害者の間で示談が成立したとみられ、今後は、在宅での捜査が進められます。