投資詐欺で得た資金をマネーロンダリング(資金洗浄)したとして、福岡、佐賀両県警は18日、いずれも中国籍で大阪府羽曳野市の雑貨販売・輸出入会社「川阪」代表取締役、許丁(37)=大阪市東住吉区今川4=と妻で取締役の朱暁慶(36)の両容疑者を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益等隠匿)の疑いで逮捕した。同社に入金された詐欺の被害金は計約33億円に上るという。 福岡県警組織犯罪捜査課によると、川阪は2014年5月設立で、輸出入業などで稼働実績があった。川阪名義の複数の口座に20年11月~23年9月、投資詐欺や還付金詐欺などに遭った全国43都道府県の被害者約450人が入金するなどした計約1200の借名口座から、計33億円が送金されていた。その際、川阪の取引先で中国拠点の2社を送金者名義に使い、正当な商取引を装っていたという。 このうち、逮捕容疑は23年6月19~28日、外国為替証拠金取引(FX)の投資名目でだまし取った計2855万円を、正当な商取引を装って合同会社の口座から川阪名義の2口座に送金させ、犯罪収益を取得したとしている。県警は認否を明らかにしていない。 両県警は、詐欺被害金が入金された合同会社などの口座を氏名不詳者らの詐欺グループやカンボジア拠点の詐欺グループに譲渡したとして、別の中国籍の2人を犯罪収益移転防止法違反などの容疑で今年3月までに逮捕していた。両県警は、資金洗浄した33億円の大部分が海外に流れた可能性もあるとみて、捜査を進める方針。【志村一也】