「口座が麻薬取引とマネーロンダリングに関与している」警察官を名乗る詐欺電話 犯行の音声入手

警察によりますと、去年、宮崎県内での特殊詐欺被害の認知件数は74件。被害総額は2億235万円でした。 今年は3月末時点で35件、総額1億6535万円です。3カ月で去年の半分を超える被害額となっています。 特殊詐欺には、オレオレ詐欺や架空料金請求詐欺などいくつか種類がありますが、警察によると、最近増えてきているのが「警察官をかたるケース」です。実際の音声を入手しました。 (警察官をかたる男) 「口座が麻薬取引とマネーロンダリングに関与していることが判明しました」 4月、福岡から宮崎に帰省中だった10代の女性に知らない番号から一本の電話がありました。 (電話を受けた女性) 「最初、ピーって鳴って、機械音で「あなたの携帯番号は停止されます」と聞こえて、そしたらコールセンターみたいな女の人につながって、総合通信局って言ったのかな?「なんで電話番号停止されるんですか?」と聞いたら、「私の電話番号を使って民間の人に迷惑メールなどを送っている」と言われた」 心当たりがない女性に、女は東京の警察に電話するよう促したということです。 女性は、指定された番号に電話するとイイヅカという警察官を名乗る男につながりました。 (警察官を名乗る男) 「口座が麻薬取引とマネーロンダリングに関与していることが判明しました。関与している金額は6800万円に上ります。これはいったいどういうことですか?」 (電話を受けた女性) 「知らないです」 (警察官を名乗る男) 「分からないですよね?」 (電話を受けた女性) 「カナダ銀行って何ですか?」 (警察官を名乗る男) 「カナダロイヤル銀行です」 (電話を受けた女性) 「カナダロイヤル銀行で6000万円、人身売買や薬物などで使用していると言われた」 不審に思った女性は、警察官であることを証明するよう伝えると、LINEに誘導されました。 女性が「警察がLINEを聞き出すことがあるのか」と追及すると、男は焦りを見せました。 (警察官を名乗る男) 「SNSを使わないと先ほどおっしゃっていましたが、それが変更になってLINEオッケーという指令が出ている」 結局、特殊詐欺だと気づいた女性は電話を切り、お金をだまし取られることはありませんでした。 (電話を受けた女性) 「こういう詐欺電話って、私のような若い人にもかけてくるんだと驚いた。お年寄りなどにもだまされてほしくない。(かかってきたら)焦らないでほしい」 先ほどの女性は被害はありませんでしたが、県内では、警察官を語る特殊詐欺で被害も出ています。 今年1月から2月にかけて、都城市の70代の女性に警察官や検察官を名乗る男から電話があり、「逮捕状が出ている。金を購入すれば換金して紙幣を調べる」などと言われました。 女性は指示された通り、金塊約1800万円相当を購入。指定された場所に置いたところ、持ち去られました。 その後も、検察官を名乗る男から「調査にもっとお金が必要」などと連絡があり、女性は数回にわたり、指定された口座に約1600万円の現金を振り込み、合計約3400万円をだまし取られました。 警察によると、去年1年間で県内で警察官をかたる特殊詐欺被害の認知件数は21件、被害総額は1億4077万円でしたが、今年は1〜3月で10件発生。被害総額は1億4073万円に上ります。 警察官を語る特殊詐欺の被害にあった年齢別の割合で見てみますと、80歳以上が最も多いですが、他の年齢層もまんべんなく被害にあっています。 その手口は、まず携帯電話などに「口座が不正に利用されている」「逮捕状が出ている」などとして、SNSやビデオ通話に誘導。 これは実際に使われたニセ警察官の画像ですが、ニセの警察手帳などを見せて不安をあおり、信じ込ませるということです。 警察は、電話で警察がSNSなどへ誘導する場合は詐欺だとしています。怪しいと思った相手とは、絶対にSNSやビデオ通話でやりとりをしないようにして下さい。

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