先月8日に傷害の疑いで逮捕され、同16日に処分保留で釈放された女優の広末涼子(44)が2日、自身の公式サイトで「双極性感情障害および甲状腺機能亢進症」と診断されたことを公表した。当面の間、芸能活動を休止し心身の回復に専念する。 順天堂大学医学部ホームページによると、「双極性感情障害」はかつて「躁(そう)うつ病」と呼ばれていた気分障害の1つ。気分が落ち込むうつ状態と、対極的な高揚気分の躁状態を繰り返す病気で、日本では数十万人の患者がいると見積もられている。原因は分かっていない。精神分析やカウンセリングだけでは根本的な治療ができず、薬物療法と合わせて心理・社会的な治療が必要となる。 躁状態になるとほとんど眠らず動き回る、しゃべり続けるなどの症状が現れ「自分には超能力がある」といった誇大妄想に発展してしまう場合もある。軽躁状態は元気で人間関係に積極的になり「ハイ」に見えるが迷惑をかけるほどではないという。躁状態、軽躁状態では多くの場合、本人は自分の変化を自覚できず、むしろ調子が良いと感じ、大きなトラブルを起こしていながら、本人はほとんど困らず周囲が困惑していることをなかなか理解できない。 うつ状態はうっとうしい気分が一日中、毎日続く「抑うつ気分」、あらゆることに全く興味をもてず、何をしても楽しいと思えなくなる「興味・喜びの喪失」の2つが中核症状。早朝覚醒、食欲の減退または亢進(および体重の減少または増加)、疲れやすい、動作がゆっくりになってしまう、自責感、集中できない、自殺念慮といった症状も出る。 双極性感情障害の場合、一般的に最初のうつ状態あるいは躁状態から、次の病相まで5年位の間隔がある。症状が治まっている間は問題がないが、薬で予防しないと再発する可能性が高く、病相の間隔が次第に短くなり、年間4回以上の躁状態、うつ状態を繰り返す急速交代型へ移行すると薬が効きにくくなってしまう。