川崎市の住宅で今年4月、昨年12月20日から行方不明だった女性(20)の遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された元交際相手の白井秀征(ひでゆき)容疑者(27)が、失踪6日後の神奈川県警による任意の事情聴取で「12月中旬に女性周辺をうろついた」などと話していたことがわかった。捜査関係者への取材で判明した。 県警は当時、強制捜査に踏み切れておらず、容疑者の「ストーカー行為」をどの時点で具体的に把握し、どう対応したかが焦点の一つになっている。 ■「交際が継続」といった説明も 女性は岡崎彩咲陽(あさひ)さん。県警が今年4月30日にストーカー規制法違反容疑で実施した家宅捜索で遺体で見つかった。県警は、3月25日の白井容疑者への聴取で「(失踪当日に)勤務先周辺に会いに行った」などと認めたため、同容疑を適用したと説明していた。 捜査関係者によると、昨年12月26日の聴取で、白井容疑者は12月中旬に「連絡が取れなくなったので会いに行った」「岡崎さんとの交際が継続している」といった趣旨の説明をしたという。当時、県警は同容疑での強制捜査は難しいと判断したという。 一方で、岡崎さんは失踪前の12月9~20日、計9回、県警に電話し、うち2回は、白井容疑者が「家の周りをうろついている」という趣旨の内容だった。警察官が現場周辺を捜索するなどしたが、白井容疑者の姿を直接確認することはできなかったという。(奥田薫子)