東京メトロ南北線東大前駅（東京都文京区）で7日夜、刃物を持った男に大学生の男性（20）が切りつけられた事件で、男がホームで切りつけた後、電車内に逃げ込んだ男性を追いかけ、さらに2回ほど切りつけていたことが捜査関係者への取材で分かった。男性を執拗（しつよう）に襲った一方で、2人の間に面識はなかったとみられ、警視庁が経緯を調べている。 男は、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された住居・職業不詳の戸田佳孝容疑者（43）。逮捕容疑は、7日午後6時55分ごろ、東大前駅で、男性の頭部を包丁のような刃物で切りつけ、殺害しようとしたというもの。調べに対し黙秘しているという。 捜査関係者によると、容疑者は午後6時半ごろに駅構内へ入り、トイレに行ったりホームのベンチに座ったりしていた。男性は同45分ごろに駅構内へ入り、約10分後にホームで並んでいたところ後ろにいた容疑者に襲われ、さらに電車内でも切りつけられたという。 容疑者は居合わせた警察官らに確保されるまで約30秒間刃物を振り回していたが、他の乗客を襲おうとした様子はなかった。一方で、容疑者と男性の間に面識があったことは確認できておらず、事件直前にもやりとりをしていなかったという。（長妻昭明、藤田大道）