今年、大阪府内で発生した交通事故の死者42人(13日時点)のうち、6人に1人にあたる7人が、道路上で寝そべった状態(路上横臥(おうが))で車にひかれて死亡していたことが、大阪府警への取材で分かった。過度な飲酒の末に路上で寝込んでしまったケースもあったとみられ、府警は啓発を強化し、注意を呼びかけている。 2月21日午前0時50分ごろ、大阪市淀川区の新御堂筋(国道423号)で、50代男性が路上に横たわっていたところを乗用車にひかれて死亡。現行犯逮捕された運転手は「黒いものが落ちていると思った」と供述したという。 府警によると、今月13日時点でこうした路上横臥による事故の死者は7人で全体の約16・7%。4月以降に限ると死者16人のうち4人で、実に4人に1人に上る。警察庁の昨年の全国データでは、路上横臥による死者は100人で全体の約3・8%だった。大阪でも昨年は7・1%で、今年の多さが目立つ。 府警によると、令和6年までの過去5年間での路上横臥での死者34人のうち19人は飲酒後に事故に遭ったといい、府警は運転手に「夜間はハイビームを活用してほしい」とするとともに、飲酒する場合は「酔った仲間は介抱して目を離さないように」と訴える。 また、府内では、バイクが絡む事故も多発。死者42人のうち約4割の17人がバイク乗車中で、15人が40代以上の中高年だった。府警は「春夏はバイクに適した季節だが、事故は大けがに直結する。プロテクターを着用するなどして運転してほしい」と強調した。