【くわしく】e-Tax利用して詐欺か 事件の構図と手口は 高知県警「捜査対象数百人」【記者解説】

国税電子申告・納税システム(e-Tax)を利用して、虚偽の内容を記載した所得税などの申告書を提出し、還付金をだまし取った疑いで男女10人が逮捕されました。 「捜査対象者が数百人」というとてつもなく大規模な事件となりました。ここからは取材にあたった野中記者とお伝えします。e-Tax(イータックス)というと確定申告などの国税に関する手続きをインターネットで行えるシステムですが、どのように犯罪に利用されたのでしょうか。 ■野中麟太郎 記者 税務署に行かなくても利用できるe-Taxですが、今回の詐欺グループは (1)容疑者の1人が税務署に行ってID・パスワード方式の届け出をした後、利用者識別番号と暗証番号を入手 (2)別の共犯者がその利用者識別番号と暗証番号を使用してe-Taxで虚偽の確定申告を行っていた ということです。 具体的な申告としては、容疑者らは実在する会社に紐づく個人事業主を騙り、「年間およそ900万円の報酬を貰い、およそ90万円が源泉徴収されたが、報酬のおよそ900万円の同額またはそれ以上の事業経費などがかかった」として申告し、金銭をだまし取っていたと見られます。 ■藤崎美希アナウンサー 税務署側で見抜くことは難しいのでしょうか? ■野中麟太郎 記者 事件の手口について高松国税局に話を聞いてみました。「虚偽の源泉徴収額を申告し、不正に還付金を受け取ろうとするケースは以前からあった」「外形上の様式が整えられていた場合には照合などの後に、還付金を支払うケースもある」ということです。 ただ、この場合にも審査は継続されていて「不正」と発覚した際には厳正に対処しているということです。 ■遠藤弥宙アナウンサー 逮捕者が10人、住所も年代もバラバラということですよね。 ■野中麟太郎 記者 10人の詳しい役割分担についてはまだ捜査中ということですがだまし取った金の流れから小笠原容疑者が「上位者」とみられています。また、ID・パスワード方式を申請するために税務署に行く役割の容疑者もいてSNSで募ったということです。

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