東京メトロ南北線東大前駅(東京都文京区)で5月7日、大学生の男性が刃物で切り付けられた事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職の男性(43)は、動機について「東大を目指す教育熱心な親たちに度が過ぎると、私のように罪を犯すことを世間に示したかった」と供述したという。 歪んだ犯行の背景は、起訴されれば刑事裁判のなかで一定程度明らかにされることだろう。 3年前にも、試験会場の東大前で受験日に人を刺した事件があった。当時高校2年の少年は「東大理3」志望を公言したが、追い詰められていた。裁判の場で、少年の両親は「勉強ばかりしていて心配だった」と悔やんだのだった。 ※本稿は、日本経済新聞の「揺れた天秤」取材班著『まさか私がクビですか? なぜか裁判沙汰になった人たちの告白』(日経BP)を抜粋・編集したものです。