【ロサンゼルス共同】「下がれ」。治安要員とみられる怒鳴り声が響き、路上で催涙ガスが放たれた。8日、米ロサンゼルスに展開した州兵らと、移民摘発に抗議する人々が衝突し、参加者は一時散り散りに。抗議に加わった女性は「国としての道を外れている。受け入れ難い」と憤った。一部は暴徒化し、警察車両に石を投げつけた。 衝突が起きたのはロサンゼルス中心部の連邦施設付近。米メディアによると、施設では移民・税関捜査局(ICE)が逮捕した移民らの一部が拘束されている。駐車場の出入り口を守るように州兵約30人が警戒に当たっていた。 「ここは移民の国だ」「私たちを守るのがあなたたちの使命ではないのか」。昼過ぎまでに数十人が集まり、ICEや州兵に抗議したが、大きな混乱はなかった。 異変が起きたのは午後1時(日本時間9日午前5時)ごろ。透明な盾を持った州兵が突然前進し、押し返そうとする一部の抗議参加者ともみ合いになった。連邦政府の治安要員らも加わり、警戒要員は80人ほどに増加。催涙ガスなどで粉じんが舞って騒然となった。