【マニラ共同】フィリピン上院は10日、サラ・ドゥテルテ副大統領(47)を裁く弾劾裁判所を設置した。ドゥテルテ前大統領の長女であるサラ氏は、マルコス大統領に報復する「殺し屋を雇った」との発言や機密費乱用疑惑を巡り、検察の役割を担う下院に2月に弾劾訴追されていた。 弾劾裁判で上院議員の3分の2が賛成すれば罷免されるが、実現のハードルは高くなっている。薬物犯罪対策「麻薬戦争」に絡んで逮捕され、国際刑事裁判所(ICC)に引き渡されたドゥテルテ氏の陣営が5月の中間選挙の上院選(半数改選)で同情票を集め、マルコス氏陣営と互角の議席を確保したためだ。