大分県宇佐市安心院町で5年前、親子2人が殺害され一審で死刑判決が言い渡された強盗殺人事件の控訴審が18日、福岡高裁で開かれ、被告側は改めて無罪を主張しました。 2020年2月、宇佐市安心院町の住宅で、山名高子さん(当時79)と長男の博之さん(当時51)が死亡しているのが見つかりました。 事件からおよそ1年8か月後に逮捕された佐藤翔一被告(40)は、2人を包丁などで殺害し現金8万8000円を奪った強盗殺人などの罪で起訴されました。 大分地裁で去年行われた裁判員裁判では最大の争点は「被告が犯人かどうか」でした。佐藤被告は「車に乗せたプロレスマスクの男が真犯人」などと事件への関与を否定し無罪を主張しました。一方、検察は「うそのストーリーをでっち上げ、事実と向き合う姿勢は皆無」などと指摘し死刑を求刑しました。 一審の大分地裁は佐藤被告の犯行を認定し、死刑を言い渡しました。被告側は判決を不服として即日控訴しました。 死刑判決からまもなく1年となる18日、福岡高裁で控訴審が始まりました。弁護側は現金を奪った行為とともに被告の犯人性についても事実誤認があると無罪を主張し証拠7点の採用を求めましたが、いずれも棄却されました。一方、検察側は控訴の棄却を求めて裁判は即日結審しました。 山名さんの次男賢司さんは「犯行の時に何があったのかを話してほしい」とコメントしています。控訴審判決は8月5日に言い渡されます。