「死刑になる覚悟はできている」死刑執行された白石隆浩死刑囚が約20回にわたる記者との面会で語った身勝手な犯行動機 浮かび上がる被害者に対する心境の変化

神奈川県座間市で9人を殺害したなどとして死刑が確定していた白石隆浩死刑囚の死刑が今朝、執行されました。記者との面会を重ねるなかで、被害者との接点になったSNSについて、白石死刑囚は「便利でした」などと語っていました。 きょう死刑が執行された白石隆浩死刑囚(34)。 事件が発覚したのは2017年10月。座間市の自宅アパートで、女子高校生を含む当時15歳から26歳の男女9人の遺体が、クーラーボックスの中から見つかりました。 白石死刑囚は、SNSで自殺をほのめかす書き込みをした女性たちに対し、「一緒に死のう」などとメッセージを送って自宅へ誘い込み、犯行に及んでいました。その後、強盗強制性交殺人など複数の罪に問われ、2021年に死刑が確定し、きょう、刑が執行されました。 鈴木馨祐 法務大臣 「慎重な上にも慎重な検討を加えた上で、(死刑)執行を命令した次第であります」 社会を震撼させたこの事件。JNNの記者は、拘置所でおよそ20回、白石死刑囚と面会を重ねました。 白石死刑囚 「後悔はありません。捕まったことは今でもものすごく後悔をしていますが、自分がやったことについては後悔していません」 被害者との接点になったSNSについては、こう明かしていました。 白石死刑囚 「ツイッターはかかりが良くてめっちゃ便利でした。『死にたい』とか『寂しい』とかつぶやいている人に、手当たり次第にメッセージを送りました。被害者の名前ですか?1人目の女性は運転免許証をみて知りましたが、ほかの8人は逮捕されるまで知りませんでした」 名前も知らない被害者に対し、なぜ犯行に及んだのか…。 白石死刑囚 「目的はお金です。手っ取り早くお金を得るために女性からもらおうと考えて。(Q.では、なぜ殺害したのですか?)証拠隠滅のためです。当時、風俗店のスカウト業で逮捕されて執行猶予中でした。ばれて逮捕されたら実刑になるし」 悪びれもなく説明し、「被害者に謝罪する気持ちはない」と話していた白石死刑囚。しかし、裁判が進むにつれ、心境に変化がみられました。 白石死刑囚 「裁判で遺族の言葉を聞き、酷いことをしてしまったと思うようになった。遺族が大きな喪失感と憎しみを持っていることが分かった」 被害者への謝罪の気持ちを吐露するようになったのです。 判決の日の朝には…。 白石死刑囚 「激しい痛みを感じるので嫌ですが、僕は死刑に値することをしたので、死刑になる覚悟はできています」 この日、東京地裁立川支部は死刑を言い渡しました。 裁判長 「精神的に弱っている女性を狙った犯行は、計画的で狡猾、功妙かつ卑劣。自己の欲望のみを目的とした重大犯罪で、犯罪史上、稀にみる悪質な犯行だ」 この事件をきっかけに、政府は自殺に関する有害な投稿の監視強化など再発防止策にのりだしましたが、今も同様の事件は後を絶ちません。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする