偽警官の指示で裸に 性被害に発展する新たな詐欺手口 福岡県警

福岡県内の特殊詐欺被害が急増している。1~5月末の特殊詐欺の認知件数は558件(前年同期比302件増)で、被害総額は過去最悪だった2024年を上回るペースで推移している。被害者がお金をだまし取られる際に性被害に遭う新たな被害も確認されており、県警が注意を呼びかけている。 県警のまとめによると、1~5月末の特殊詐欺の被害総額は計約22億6000万円(同17億9000万円増)。そのうちオレオレ詐欺の被害額が18億9000万円(同17億2000万円増)で被害総額の大半を占める。 以前は息子をかたるオレオレ詐欺が主流だったが、近年増加しているのは偽の警察官を名乗る手口だ。詐欺グループは、電話で偽の警察官を名乗り「あなたの口座が犯罪に利用されている」「調査のためお金を振り込む必要がある」などと切り出す。被害者を信じ込ませるため、交流サイト(SNS)に誘導し、SNS上に偽の逮捕状の画像を提示。警視庁などの偽サイトにアクセスさせ、サイト上に口座番号や暗証番号などの個人情報を入力させる手口もある。 また今年に入って性被害に発展する新たな手口も確認されている。偽の警察官を名乗る人物から口座にお金を振り込むよう指示された後、SNSのビデオ通話で「タトゥーが入っているか確認する」などと言われ裸になるよう要求されたり、「24時間監視する必要がある」としてトイレや入浴の映像を要求されたりする被害が確認されているという。 県警生活安全総務課の波多江啓史統括管理官は「警察がSNSで逮捕状を送ったりビデオ通話で裸になることを要求したりすることは絶対にない。市民の皆様にはぜひ自分事として考えていただき、特殊詐欺が横行していることを仲間内や近所付き合いで話題にして、互いに注意を呼びかけてほしい」と話した。【金将来】

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