川崎市の民家で4月、岡崎彩咲陽（あさひ）さん（当時20歳）の遺体が見つかった事件で、神奈川県警は12日、元交際相手の無職、白井秀征（ひでゆき）被告（28）＝死体遺棄罪などで起訴＝を殺人の疑いで再逮捕した。 岡崎さんは白井容疑者からつきまといなどの被害を受けたと県警に訴え、2024年12月20日に行方不明になった。 県警は白井容疑者へ任意聴取を繰り返してストーカー行為を認定し、25年4月30日に自宅を家宅捜索。床下から岡崎さんの遺体が見つかった。遺体には焼かれた跡があり、司法解剖では死因が分からなかった。 白井容疑者は捜索前に海外へ渡ったが、県警は帰国した5月3日に死体遺棄容疑で逮捕。同28日には、ストーカー規制法違反容疑で再逮捕した。白井容疑者は最初の逮捕時に死体遺棄については認めたが、その後は黙秘に転じていた。 県警は、岡崎さんの足取りや遺体が隠されていた状況などから、白井容疑者が殺害にも関与した疑いが強まったと判断した。 一方、岡崎さんの遺族は「何度も相談したのに県警が適切に対応してくれなかった」と訴えている。24年6月以降、白井容疑者から暴力やストーカー行為を受けたとして、岡崎さんや家族は繰り返し相談や通報をしていた。 県警は「必要な措置は講じていた」としているが、検証チームを設置し、事件前後の対応が適切だったかどうか内部調査を進めている。【清水夏妃、宮本麻由、横見知佳】