福島県福島市の中学校で3年の男子生徒(15)が男子同級生2人を彫刻刀で切りつけ、傷害の疑いで福島北署に現行犯逮捕された事件を受け、市教委は17日、男子生徒が同級生1人を背後から刺した後、止めに入った別の同級生も同じ彫刻刀で傷つけたと、事件の状況を明らかにした。 市教委が同日、会見を開いて説明した。市教委によると、背後から刺された同級生は背中4カ所、首1カ所、別の同級生は胸部1カ所に、いずれも軽傷を負った。市教委は「(逮捕された)男子生徒に個人的なトラブルがあったとの報告は聞いていない」としている。 事件当時は6校時の総合学習の時間で、高校の体験入学に関する事前指導が行われていた。事前指導は別の場所で行われ、3人は事前指導を終えて教室に戻っていた。ほかにも生徒はいたが、教員はいない状況だった。 学校では、彫刻刀などの刃物類は授業などで必要な場合を除き、持ち込まないよう指導していた。備品の彫刻刀は、施錠した状態で保管していた。当日、彫刻刀を使った授業はなく、男子生徒が教室に彫刻刀を持ち込んだ経緯は分かっていないという。 市教委は17日、生徒の心のケアのため、スクールカウンセラー4人を学校に派遣した。担任による個人面談も実施し、不安を訴える生徒には夏休みも対応するとしている。 また、学校では同日、全校集会や全校生の保護者を対象にした説明会を開いた。説明会に出席した3年生の保護者は「スピード感をもって、継続的に情報を提供してほしい。子どもが安心して通えるような対応をお願いしたい」と話した。