取引先の男性を約3カ月間監禁し、大けがをさせたとして建設業の大城優斗容疑者(25)ら男9人が逮捕された事件で、男性から現金や貴金属など計約400万円相当も奪ったとして、警視庁捜査1課は6日、強盗容疑で、大城容疑者ら7人を再逮捕した。 いずれも黙秘や否認をしている。 同容疑者と取引先の間には工事代金を巡るトラブルがあったが、既に解決していた。同課は同容疑者らが男性から金品を強奪後、さらに金を引き出そうとして監禁事件に発展したとみている。 再逮捕容疑は1月28日夜~29日未明、東京都板橋区内のトランクルーム敷地内や豊島区にある取引先の30代男性宅で、顔や腹を多数回殴り、バリカンで丸刈りにするなどした上、男性宅にあった現金約85万円のほか、「ウブロ」などの高級腕時計9本やタブレット端末、商品券など計111点(時価計約318万円相当)を奪った疑い。 同課によると、男性は金目の物を持ってくるよう要求されていたが、持参しなかったため、トランクルーム敷地内で暴行を受けた。その後、「貴重品が家にあるんだろ」と脅され、車で自宅まで連れて行かれた。 大城容疑者らは部屋を物色して金品を奪うと、再び男性を車に乗せて近郊の宿泊施設に拉致。4月末までの約3カ月、十数カ所を転々としながら監禁を続けていた。 男性は監禁中の暴行により肋骨(ろっこつ)や腰の骨折、全身のやけどなど6カ月の重傷を負った。保護された際は栄養失調状態で衰弱していたほか、長い時間を共有した犯人に好意や連帯感などを抱く「ストックホルム症候群」のような症状も確認された。