メジャーリーグでも異彩を放った“問題児”の動静が注目されている。現地時間8月1日、全米野球記者協会のメンバーで、ベネズエラの著名ジャーナリストであるフアン・ベネ氏は、23年9月から制限リスト入りして出場停止となっていたフリオ・ウリアスに「日本の2球団が興味を示している」と伝えた。 ウリアスは、2016年にドジャースでメジャーデビュー。21年には20勝(3敗)で最多勝、22年には最優秀防御率(2.16)のタイトルを獲得し、将来を嘱望される存在だった。 しかし、2019年に女性に対する家庭内暴力の容疑で逮捕されていたウリアスは、23年9月に女性に暴力を振るう様子を一般市民に撮影されてふたたび逮捕。今年8月にMLB機構から科された出場停止処分は解かれたものの、メジャーリーグの球団幹部たちは度重なる素行の悪さを問題視。こと米球界においては新たな契約先を見つけられずにいる。 さらに母国メキシコでも米当局が科した36か月の保護観察処分(27年5月)を終えるまで復帰を認めないとされ、八方ふさがりの状態となっているウリアス。そんな28歳にとって、ある程度の水準でのプレーが約束されるNPBは「理想的な環境」となるのは言うまでもない。実際、大物代理人スコット・ボラス氏も「選択肢が豊富にある」と明言。日本行きの可能性を否定してはいない。 実現すれば、エポックメーキングな契約となるのは必至だ。ゆえに母国内でもウリアスの動静は小さくない注目を集めている。ニュースサイト『Noroeste』は「日本プロ野球(NPB)の2球団がこのメキシコ人左腕投手との交渉に意欲を示しており、アジアでの新たな活躍の道が開かれる可能性がある」と断言。「メジャー復帰の道は完全に閉ざされた状態だが、いわゆる“腫れ物”として問題を抱えながらも、リベンジとプロキャリアの継続を望むウリアスのような選手にとって日本は確固たる選択肢だ」と強く訴えかけている。 また、メキシコの日刊紙『El Universal』も「ウリアスの未来は日本にある」と強調。すでに伝えられているNPB2球団からの関心を伝えた上で「現時点で可能性は最も高い」と伝えている。 まだ働き盛りの28歳は、いかなる決断を下すのか。もしかすると、今オフに「ウリアス」の名は日本球界のトピックとなるかもしれない。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]