豪リーグでの賭博不正で逮捕された檀崎竜孔が罪状認める…所属クラブが深刻な財政難、弁護士は選手の厳しい経済事情を強調

13日、試合中にスポーツ賭博に関わる行為を行ったとして起訴されていた檀崎竜孔被告(25)がオーストラリア・メルボルンの裁判所で起訴内容を認めた。同日、豪『ABC』や豪『ヘラルドサン』が伝えた。同被告は7月までオーストラリア・Aリーグのウエスタン・ユナイテッドに所属。クラブ側は6月に同被告が賭博容疑で起訴されたことを発表していた。 檀崎被告は13日に裁判所に出頭した。友人の平山勇太被告(27)と共謀し、今年4月から5月までの3試合で檀崎被告が故意にイエローカードを受けるなど賭博市場を不正に操作したとして7件の容疑を認めた。2人は約1万6000豪ドル(約150万円)の利益を不正に得て、5月30日に逮捕されていた。 檀崎被告は犯行を全面的に認めているという。弁護士ルイス・ウィンター氏は法廷で「同被告が深く恥じており、当惑、後悔している」と明かした。 豪『ヘラルドサン』は檀崎被告が犯行に及んだ経緯を説明。所属していたウエスタン・ユナイテッドが財政難に陥り、選手の給与も期日通りに支払われていなかった。同被告は前年に子どもが誕生。家族を養うための同被告の負担は大きくなり、経済的なストレスを抱えていたという。 ウエスタン・ユナイテッドの財政難は深刻で、Aリーグは同クラブがリーグ参加への必要な基準を満たしていないとみなし、今月8日にライセンス剥奪の声明を発表。同クラブは同日中にこの決定に異議申し立てをしている。 ウィンター弁護士は檀崎被告が「自身と家族の名誉を傷つけたこと、自身のキャリアも危機に瀕していることも認識している」と語る。 平山被告の弁護士モリー・デイトン氏は同被告の状況を説明。アマチュアレベルでプレーしていた同被告は1試合あたり約700豪ドル(約7万円)を稼ぎ、生計を立てるために食品配達のドライバーとして働いていた。さらに3月にハムストリングを負傷し、2か月間サッカーができず。その後不正賭博に関与し、本人も「非常に誤った決断だった」と述べているという。 裁判所は懲役を想定せず、罰金などの形で実刑を回避する方向。判決は今月22日に言い渡される予定になっている。 檀崎被告は青森山田高で全国高校サッカー選手権を2度制覇。19年に北海道コンサドーレ札幌に加入し、翌20年からオーストラリアへ。21年にジェフユナイテッド千葉でプレーした。22年からはブリスベン・ロアー(オーストラリア)、マザーウェル(スコットランド)に渡り、23年夏からウエスタン・ユナイテッドに加入していた。

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