JR長野駅前で今年1月、男女3人が刃物で襲われ1人が死亡した事件で、検察は矢口雄資容疑者を殺人などの罪で起訴しました。 矢口容疑者は「牛刀」を使って犯行に及んでいたことが新たにわかりました。 殺人と殺人未遂などの罪で、起訴されたのは、長野市の無職・矢口雄資容疑者47歳です。 起訴状などによりますと、矢口被告は、今年1月22日午後8時すぎ、JR長野駅前でバスを待っていた男女3人を牛刀で襲い、市内に住む49歳の男性会社員を殺害。 さらに、いずれも会社員の37歳の男性と46歳の女性を殺害しようとしたなど罪です。 矢口被告は現場から逃走し、4日後の1月26日に自宅に突入した警察に逮捕されました。 検察は、矢口被告の認否を明らかにしていません。 捜査関係者によりますと、矢口被告は警察の調べに対し、動機については詳しく語らないものの「無罪を主張します」などと話していました。 検察は、矢口被告に刑事責任を問えるかどうかを判断するための鑑定留置を3月から今月12日まで実施。起訴できるかどうかを慎重に判断してきました。 ■■「鑑定留置・7つの着眼点」とは 「鑑定留置」とはどういったものなのでしょうか? 矢口被告の鑑定留置は東京の施設でおよそ4か月半間にわたって行われました。 刑事責任能力があるかどうかなどを調べるもので、医師が精神疾患の有無や犯行時の精神状態などを診断しました。 当初の予定では先月で終わる予定でしたが、今月12日までおよそ1か月間延長されました。 この理由を、ある捜査関係者に取材したところ、県警の調べに対して、ほとんど応じなかった矢口被告が医師に対しても事件などについての話をしなかったのではないかということです。 詳しい結果は明かされませんが、検察は長期にわたる鑑定を受けて、矢口被告の刑事責任を問えると判断したとみられます。 責任能力があるかどうかはどう判断するのでしょうか? こうした事件の責任能力を判断する上での目安となる「7つの着眼点」というものがあります。