風俗店などに女性をあっせんする国内最大規模のスカウトグループ「ナチュラル」を巡り、暴力団へのみかじめ料をやりとりしたなどとして、警視庁は東京都暴力団排除条例違反の疑いで、グループ幹部の佐藤雄己容疑者(32)=住所不定、指定暴力団山口組系幹部の忽滑谷(ぬかりや)翔一容疑者(39)=東京都渋谷区=ら3人を逮捕した。いずれも黙秘している。 グループはスカウトした女性を飲食店や風俗店などに紹介し、売り上げに応じて店側から「スカウトバック」と呼ばれる紹介料などを得ていた。令和4年の1年間の収益は約44億5千万に上るとされ、警視庁は一部がみかじめ料として暴力団に流れていたとみて、実態解明を進めている。 暴力団対策課によると、ナチュラルは全国で1500人程度が在籍するピラミッド型の組織で、佐藤容疑者はトップとされる人物の側近とみられる。5年以降、組織内で起きた監禁事件などで、幹部やメンバーら複数人が警視庁に摘発されていた。 ほかに逮捕されたのは、ナチュラルのメンバーで新宿区の斎藤佑之介容疑者(29)。佐藤、斎藤両容疑者の逮捕容疑は、5年7月、渋谷区内でのスカウト行為を容認する見返りとして、同区内の飲食店で、忽滑谷容疑者に現金60万円を渡したとしている。